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講師 山内 雄司

 今年の夏は久しぶりに「読書感想文講座」を実施します。

 夏休みの自由課題というと、「読書感想文」か「理科実験」の選択が定番です。ただ、理科実験と比べて手間がかからないからでしょうか、読書感想文を選ぶ子どもが多いようです。ただ、できた文章は残念ながら凡庸なものが多いのが実情です。

 その理由は単純です。「感想」を書いてしまうからです。

読書感想文なのだから「感想」を書くのは当たり前だと思われそうです。ただ、これが諸悪の根源です。そもそも、文章にはいろいろな形態があります。「日記」「物語」「論説文」「紀行文」………などなど様々ありますが、その中で最も難しいのは「書評」と言われています。読書感想文は表現を変えれば、もちろん、「書評」です。そんな難しい文章を子どもに書かせること自体、問題が大きいと感じています。

それはそれとして、本を読んだ後に子どもに感想を聞くと、「面白かった!」「わくわくした!」「泣きそうになった!」などの言葉が返ってきます。この言葉を著者が聞けば、恐らく、泣いて喜ぶ大賛辞かと思います。ただ、「感想を書きなさい」と強制すると、「面白かったです。」「わくわくしました。」「かわいそうだと思いました。」という文章になってしまいます。そこに、大人が追い打ちをかけて、「面白かっただけじゃなく、もっと他にあるでしょう、考えて書きなさい!」となるため、子どもにとっては苦役になってしまうのです。

その上、 「原稿用紙2枚以上」という制約は、さらに子どもを追い詰めます。「面白い」という素直でシンプルな言葉を原稿用紙2枚以上書かせるなんて、これは罰ゲームそのものです。こうして子どもたちは、自分の身を守るべく、内容が薄くても水増しして規定枚数を越えればいいというつまらない方法を身につけていくのです。「読書感想文は子どもを読書嫌いにする最も有効な方法」と、言われるゆえんです。

 

私は子どもたちにこう言っています。「感想なんか書いてはいけない!」

読書感想文には、感想以外に書くべきことがたくさんあります。ちょっと視点をずらして、それらをしっかり書けばいくらでも長い文章になります。それを読んだ人に「これはいい!」と感心させることもできます。

8月6日(土)17:00~18:20 に、「読書感想文講座」を行います。内容はなかなか高度なものと自負していますが、小学生から高校生まで、充分に理解してもらえるように仕上げました。もちろん、夏休みの課題にもすぐに利用していただけます。是非、ご参加下さい!

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