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講師 山内 雄司

 現在の中学・高校・大学入試では、英語が重要な要素になっているのはご存じの通りです。今までの生徒も、英検等の資格を持っていることで、入試でかなりの「得」をしてきたケースはたくさんあります。これは大学入試、高校入試、中学入試のすべてにおいてです。実に多くの生徒が英語を勉強した恩恵を受けています。

 このような入試における英語重視の風潮がいいか悪いかはともかく、「費用対効果の高い科目」であることは間違いありません。だから、英語には特に重点を置いて学習するべきです。

 しかし、すべての生徒がすぐに英語で同じような上達をするとは限りません。幼い頃から海外で生活してきた生徒は別格として、それほど前提条件が違わない多くの生徒に、英語力で大きな差が出るのは何故でしょう。

 理由はいろいろ考えられますが、英語の苦手な生徒にはいくつか共通点があります。ここでは中学生によく見られる「悪癖」のひとつについて書きたいと思います。

 I think his sister should be thanked by her brother.

 生徒がこれを和訳すると、大きく分けて次の2つのパターンに分かれます。

①お兄さんは妹に感謝するべきじゃないかな。

②私は、彼の妹は彼女の兄に感謝されなくてはならないと思います。

 ②のような和訳は日本語としては確かに不自然です。だから①の方がいいと言われるかもしれません。しかし、なかなか英語が上達しない生徒は①のような和訳をしがちです。

 物語の翻訳者であれば、①のように和訳するのもありかもしれません。しかし、それはもともと英語に堪能なうえに、登場人物の性格がどのようなものか解釈し、日本人の読者がどういう年齢層であるかまで考えてのことです。英語を学習中の生徒なら②のように和訳して、「受動態にも所有格にも気をつけたぞ。」と意識するべきです。

 ところが、今は教科書ガイドなどでも①のような和訳を載せており、生徒たちは少なからずその悪影響を受けています。学校でも生徒が①のような和訳をしても注意しないことが多いようです。

 英語教育の大きな改革以降、「使える英語」というのが叫ばれるようになりました。しかし、それで正確な文法の理解をないがしろにしては本末転倒です。実際に、それらに充分な注意や練習時間を充てない生徒は、英語習得に大きなハンデを背負っています。

 言葉を覚えるには、「泥臭い」と思われるような直訳も必要です。

小6や中1の早い時期にこそ、これらの「泥臭い演習」をぜひ習得して欲しいと願っています。

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