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講師 山内 雄司

 「図形」は苦手な子どもが多く、特に、入試では難問として出題されやすい単元です。

 授業でも、よく「わかりません」と質問されます。しかし、私たちはすぐに答えることは差し控えています。その前にするべきことがあるからです。

 それは、ノートに図形を描くことです。

 子どもたちの多くは、図形問題に出会ってもなかなか図を描こうとはしません。テキストに印刷されている図形を「じーっ」と見つめていたり、何度も図形をなぞったりします。それでは解けるものも解けません。特に、図をなぞり始めたら危険なサインです。そのまま時間だけが過ぎてしまうからです。

 授業では、まず図形をノートに描くことからスタートします。図を描いていないのに、「わかりません」はルール違反としています。定規やコンパスは原則として使わず、フリーハンドで描くのが基本です(本番のテストでは、定規やコンパスを使う時間はありませんので)。

「図形はテキストに載っているから、わざわざノートに描く必要はないのでは?」と言う子どももいます。しかし、そんなことはありません。自分で図を描く練習は大切です。ここではその理由を3つご紹介します。

 1つ目は「角度の感覚が身につくこと」です。30°、45°、60°、90°が基本になります(120°、135°などはその延長です)。角度を感覚として捉えていると、すぐに解ける問題がたくさんあります。「ここが60°だから、当然ここは30°だな」という感覚が身につきますし、必要な補助線も引きやすくなります。ところが、多くの子どもはこれらの角度を描き分けられません。問題には45°と記されているのに、どう見ても60°にしか見えない角度を描いてしまうと、その後の処理が面倒になります。正しい角度が描けるようになれば、「おうぎ形」「合同の証明」「相似の証明」「円」「三平方の定理」「三角比」「三角関数」等の正答率が一気に上がります。

 2つ目は、図形問題では「見たら解ける問題が多いこと」です。特に「空間図形」では顕著です。平行や垂直の位置関係など、問題文を読んでいるだけではなかなか想像がつきません。ところが、例えば、立方体をノートに描くだけですぐに正答にたどり着けるものがたくさんあります。少なくても立方体や直方体は、見取り図や展開図をすぐに描けるようにするべきです。ただ、多くの子どもはその練習の機会に恵まれていません。高校生になっても苦労している子どももたくさんいます。

 3つ目は「正答に向かう気持ちを高めるため」です。前述したように、図も描かないうちから「わかりません」とあきらめてしまう子どもは、文章題を解くときにも数直線などの図や表を描かないであきらめてしまいがちです。「もっと考えよう」と声をかけても、問題文を眺めるだけで具体的な解法に向かいません。

 図形を描かない、図や表を描かない、途中式を書かないという三つは共通点が多く、しかも、そのどれかを実行しない子どもはすべて実行しません。

 図を描くのも数直線や表を描くのも、それなりの練習が必要です。言われたからすぐにできるという訳にはいきません。しかし、不正確ながらも図を描けば、どこが間違っていたか、どう考えるべきであったかがはっきりします。

 伸栄学習会ではテキストやプリントへの書き込みは禁止、必ずノートを使うことをルール化しています。試行錯誤をして図を描く練習ができるのも、ノートを使うからこその利点です。ノートを存分に活用し、たくさん図を描けばそれに比例して学力は向上します。

 1022()には、図を描くことに焦点を当てた「図形対策講座」を予定しています。ご兄弟姉妹、ご友人もお誘いの上、ぜひご参加下さい。

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