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講師 山内 雄司

 私が塾講師を始めたときの思い出です。季節は今と同じ、ちょうど学校の中間テストが始まるころでした。授業が終わった後、ある生徒が、「先生、よくわかった。明日のテスト、完璧!」と笑顔で帰っていきました。ところが、その数日後、同じ生徒が「ダメだった……」とションボリしていました。

 いったい、何がどうなっているのかわからず、ずいぶん悩みました。そして、この原因がわかったのはそれから数年を経てからのことです。

 よく「教え方がうまい」が講師の評価基準になります。もちろん、わかりやすい授業をすることは大切です。わかりやすくなければ、塾講師を永年努めることは難しいと思います。ただ、これだけでは、力不足です。理由は明らかです。「わかった」と「できる」(テストで得点できる)」は別ものだからです。

 当時の私は、「わかる」ことと「できる」ことの区別がついていませんでした。だから、生徒が「わかった」と言えば、同時に、「できる」と勝手に思い込んでいました。今から考えると、大きな間違いです。

 生徒にわかってもらうためには、わかりやすい説明が必要です。つまり、「ティーチャー」としての講師の役割が求められます。しかし、これを「できる」にレベルアップするためには、問題演習つまり「トレーニング」が必要です。そして有効なトレーニングを実行するためには「トレーナー」の役割が不可欠です。わかっただけでは何も実現していないからです。

 スポーツに例えればわかりやすいと思います。「100メートルを10秒切るためにはこう走ればよい」と聞かされて、実現できる人はいません。それがどんなにわかりやすい説明であっても同様です。これを実現するためには豊富なトレーニングと試行錯誤が必要です。ところが、勉強となると、なぜかこの部分が見落とされます。中には、「もう、わかったからいいよ」と言って、問題演習を拒否する生徒すらいます。

 勉強したらすぐに成績が上がらずに、一定の時間がかかる原因もここにあります。「わかりやすい授業」を受けるだけなら、中学3年間の内容など、半年もあればすべて終わります。ただし、ほとんどの生徒は、それだけで「できる」ようにはなりません。問題演習が欠けているからです。

 以前、入会の問い合わせをいただいた保護者から、「手っ取り早い解き方を教えてくれればよい」と依頼されたことがありました。いろいろお話しをして、私の考えをお伝えしましたが、最終的にはお断りしたことがありました。この保護者は「ティーチャー」の役割を塾に求めていたのだと思います。

 ただ、私は、講師の役割は「ティーチャー」に留まらないと考えています。「わかる」を「できる」に引き上げるには問題演習が必要です。多くの生徒は自分の力だけではトレーニングができません。それを実行させるには、生徒を見守り、アドバイスをすることが必要です。つまり「トレーナー」の存在が欠かせません。塾講師には「ティーチャー」だけではなく「トレーナー」の役割も必要と考えています。

 来月には夏期講習も始まります。ぜひ充実したトレーニングの時間を持っていただければと思います。

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