入試動向を把握するために、日ごろから情報交換会やセミナーなどに参加します。今回はある教材会社の高校入試セミナーを訪れました。分析者の話で、「千葉県の高校入試では国語で差がつかないので、対策の優先順位は高くない」というものがありました。
入試で合否に影響を与える得点としてみればその通りかもしれません。ただ、どこか悲しい思いを伴う言葉でした。
たとえば、「せつない」「いたたまれない」「しみじみとした」などという言葉は、私たちは文学から学んできました。言葉にならない感情が、文学の中にそれにふさわしい言葉を見つけたときに、「これがせつないという感情か」と結びつきます。あるいは、「せつない」という言葉を知ってからそれにふさわしい感情を持つことができた、とも言えます。
目の前の入試のための勉強というのは、いってみれば「作戦」のようなものです。「勉強」としての国語の重要性は、昔から変わっていないはずで、そこはしっかり切り分けて考えたいものです。