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講師 山内 雄司

 この夏期講習で国語の受講者が増えました。大変うれしいことです。国語は英語・数学と並ぶ主要3教科のひとつで、入試の得点源としても重要な科目です。しかし、残念ながら、英語・数学に比べてどうしたら伸びるのか、どう対策をしたらいいのか、関心が薄いのが実情です。

多くの塾ではメインの教科が英語・数学で、一部を除くと、国語の受講者は多くありません。この背景にやはり、国語に対する関心の薄さがあるように思えます。

 

国語の特徴
 関心の薄さの原因の1つが、テストで極端にひどい点数になりづらいことにあります。その理由は、数学などと違って記号選択の問題が一定量あり、しかも、捻った問題が多くないことです。ですから、ほとんど生徒は記号選択で一定の点数を稼げます。また、国語の定番の抜き出し問題も、字数制限が助けとなり正解しやすくなっています。さらに、文法の問題など知識を問うものも、理屈を知らなくても感覚で解けるものが多くあります。

 つまり、国語の試験では、新たに知識を定着させなくても「常識的に正解を出せる」問題が一定量あります。このため低い点数になることが少なく、それが国語に対して危機感を持ちにくい、つまり関心の薄さの原因になっているように思えます。

 一方、国語は高い点数を安定的に取るのが難しい教科です。ある時は取れても、ある時はさほどではない、つまり安定した成績を残すことの難しい教科です。この理由として、よく「記述問題がある」から、と言われます。しかし、私はそのように考えていません。

 国語で高得点を取りにくい本当の理由は、「本文を理解できない」、あるいは「いつも理解できるとは限らない」からです。

 国語は問題文の本文を読んで、設問に対して解答します。正答率を上げるには、本文を何度も読み返したいところですが、大半の生徒は1回しか読めません。時間の制限があり何度も読み返すわけにはいかないからです。

 

読書スピードが決め手

公立高校の国語入試問題の文字数はだいたい15,000字程度となっています。一方、一般的な中学生の読書スピードは1分間に500文字程度です。すると、本文を読むのに15000÷50030分を要します。試験時間が50分ですから、考える時間は20分しか残されていません。2度読み返す時間は残されていません。

ですから、生徒は、本文を本当に理解できたかどうかわからない状態で解答せざるを得ません。つまり、頭の中で本文の情報を必ずしも吸収できていない、あるいは論旨を明確に理解していない状態で設問に向かわざるを得ません。しかも、考える時間もわずかしか残されていません。ですから、成績が安定しないのはある意味、当然といえます。

 ちなみに、塾や予備校の中には「本文を全部読む必要は無い」というテクニックを売り物にしているところがあります。全くの邪道です。「うちにはこんな変わった指導方法があるよ」というアピールのためのものと考えて下さい。

 それに、こんな邪道につきあわなくても、国語の成績を上げる勉強法は案外単純です。要は、どんな題材が出題されても、それを「理解する」力さえ持てれば成績は格段に上がるからです。本文を理解するにはどうしたらよいか。一定の読解力があることを前提とすれば、試験の最中に「読み返し」の時間を確保することです。1度では理解できないことも、2度読めば理解できることはよくあります。

では、そのためにはどうしたらよいか。

読書スピードを上げることです。スピードが上がれば本文の読解の時間が短縮されます。時間が短縮されれば、読み返しの時間が確保できるし、考える時間も増えます。

………これ以外も国語ついてはお伝えしたいことがたくさんあります。読書スピードも含めて、次号で、また、触れたいと思います。

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