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2019年1月号……『五者』 塾長/青沼  隆

もうずいぶん昔のことです。私が塾の講師になりたてのころ、先輩たちから言われた言葉があります。
「塾の講師は『五者』でなければいけない。」

『五者』とは 学者・役者・易者・芸者・医者のことを指します。当時は「子どもを教えなければ!」と肩に力が入っていたため、この言葉はとても奇妙に感じられました。塾の講師は教えるのが本分だと思い、それ以外のことをあまり深く考えていなかったこともあります。「五者ってヘンだな。」とその時は聞き流していました。

その後、経験を積むにつれ、だんだんこの言葉が理解できるようになってきました。確かに塾の講師は教えるだけではダメです。子どもにモチベーションを持ってもらうには、五者の役割が不可欠です。勉強の意義に思いをはせてもらうときも同様です。それに、もちろん塾は楽しいところでなければなりません。楽しいところにするためにも、講師の力量(五者の力)が必要です。

この五者はいずれも大切で、甲乙をつけがたいのですが、最近、私は『易者』の大切さを感じるようになりました。易者とは占い師であり、未来を予測する役割を担う人です。例えば、自信を失いかけている子どもに対して、「大丈夫!君なら合格できる。安心して勉強を続けなさい!」と語りかけるのもその役割のひとつでしょう。ただ、合格できるとか、成績が上がるなどというのは、易者の役割の一部分に過ぎず、どちらかというとどうでもいいようにも感じています。

むしろ、易者として大切なのは、一人ひとりの子どもの未来を占うことです。いや、占うというのは正確ではなく、未来をその子と一緒に展望することだと思います。ともすると、中学受験生は中学のこと、高校受験生は高校のこと、大学受験生は大学のことだけを考えがちになります。時間は必ず経過するのに、受験生の視点は近未来に置かれがちです、失礼ながらこれはご両親様も同様に思えることがあります。

受験生に「もっと将来のことを考えて進路を決めたら」と話をすると、「そんなことより目先のことで精一杯」という言葉が返ってきます。ただ、経験的に、後悔しないためには先のことも考えた方がいいと感じます。なぜなら、中学に入学した先には、必ず、高校や大学があり、その先には社会人としての人生が待っているからです。

子どもには未来があります。未来をお考えの際には、塾の易者をご活用いただけたら幸いです。

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