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2007年2月号……『偏差値』 塾長/青沼 隆

「偏差値」という言葉を知らない受験生や保護者はいないと思います。ただ、その厳密な意味は「よくわからない」という方が多いのではないでしょうか。もともとは今から40年ほど前に、当時理科の教師だった桑田昭三氏が高校受験の合格確率を出すために使い始めたと言われています。

ただ、平成4年以来、14年間も中学校の現場からは偏差値が追放されたままになっています。「学力テスト」と称して学校でも模擬試験が行われていますが、偏差値は生徒・保護者に知らされません。

塾の世界ではもちろん偏差値は生き続けています。「現状の学力では志望校○○○の合格可能性は××%」という言葉はよく口にするところです。ただ、一方では、偏差値の意義もずいぶん薄くなってきたことを感じます。今となっては、大学入試のほぼ半分、高校入試の一部それに中学入試でしか偏差値は役に立たなくなってしまったからです。

どういうことかというと、入試選抜において、「学力」以外の要素で合否が決まる割合が増えているということです。

まず大学入試。すでに私立大学の学生の半数はペーパー試験を受けないで入学しています。系列高校あるいはAO入試や推薦入試で入学しているからです。これらの入試では原則として「学力」は問われません。それに代わって「コミュニケーション力」が合否を決めます。「コミュニケーション力」は学力偏差値とは関係ありません。ですから、学力がなくても大学に入学できる、即ち偏差値不要なのです。

高校入試では「内申書」が幅をきかせます。学校の成績が重要なのです。しかし、その成績は「絶対評価」で付けられて、しかも、試験の点数以外の「意欲・関心・態度」などが重視されます。中学校によって成績の甘い・辛いがある上に先生の主観も入るので、少なくても千葉県では、学校の成績と学力(偏差値)との相関がとても低くなっているというのが共通認識になっています。

中学受験だけは別です。この入試だけは今でも入試本番の得点によって合否が決まります。その意味で、一番、厳しい入試といえます。

以上の通り、中学入試を除いては偏差値の活躍できる場面はずいぶん少なくなってきています。しかし、案外、この事実は気付かれていないように思えます。多くの生徒や保護者、それに塾関係者はまだ偏差値の呪縛から解かれていません。

良し悪しは別にして、入試における偏差値=学力のウエイトは低くなっています。この現実を直視して入試作戦を練った方が、遥かに納得のいく進路選択ができます。当学習会としては、さまざまな情報を分析して、当学習会ならではの進路選択のお手伝いをしていきたいと考えています。

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