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                                                                            講師 山内 雄司

 2021年度の公立高校入試が終わり、4か月が過ぎました。千葉県の入試が一本化されて初めてだったことやコロナの問題もあり、例年になくとても神経をすり減らす入試となりました。

 

 毎年、千葉県内の中小100塾が協力し「開示得点」というデータを集めていています。これは受験生の数百人分の「実際の得点」を集計したデータです。公立高校では入試終了後に、受験生が受験した高校に行くと「実際に何点取れたか」を教えてもらえます。通常の受験、例えば、大学入試などでは実際の得点は教えてもらえません。その意味で公立高校の入試は特殊な入試(親切な入試?)と言えます。

 

このデータは実際の得点を確認できる唯一のものですから極めて重要な資料です。伸栄学習会でも生徒に開示得点を取ることを勧めています。自分の実際の力がわかるだけではなく、次年度以降の受験生にとってもまたとない貴重な資料にもなるからです。

 

 このデータを見るといろいろなことがわかります。1点差で合否が分かれた生徒もいます。奇妙なことに、得点が高い生徒が不合格となり、得点の低い生徒が合格となる例もあります。この学校は、部活などの活躍を重視していることがわかります。

 

 そんな貴重なデータですが、今年度は、集計を担当する塾の方が「自己採点」と「開示得点」を並べて整理してくれました。そのおかげで、驚くべき事実がわかりました、それは生徒の「自己採点」は「採点」になっていない、つまり「自己採点」が当てにならずに、「開示得点(実際の得点)」と大きな開きのあることがわかりました。なんと1教科(100点満点)10点ほどの差が出ている生徒も多く見受けられました。

 

国語や英語の記述問題で自己採点が実際の得点と変わるのはまだわかります(本当はこれも実際の得点に近くなるべきなのですが)。しかし、数学・理科・社会などの記号問題中心の教科でも大きな差が出た生徒がたくさんいました。一般的には成績と自己採点は相関がある(できる子の自己採点はアテになる)と言われていますが、千葉校や県立船橋のようなレベルの高い学校でも同様に発生していることがわかりました。

 

言うまでもなくこの「差」は大きな問題になります。つまり、自分ではできたつもりでも、実際は得点できていなかった、つまり「落ちた」理由がわからないままお宮入りとなります。その上、大学入試の共通テストのように、自己採点をベースに受験大学を決めなければならないケースでは、致命的な判断ミスを犯すことになります。

 

 自己採点ができない理由は何でしょうか。経験から推測しますと次の要因が考えられます。

  • 「できた・できなかったという感触」がいい加減
  • 自分の解答を客観的に見ることができない
  • 今までの試験で「見直し」をキチンと行ってこなかった
  • そもそも答案用紙に自分の解答を転記していない(ハナから自己採点をする気持ちがない)

どれも大問題です。

 

 ただ、「自己採点のやり方」を学んでいる子どもが圧倒的に少ないことが原因ではないか思います。つまり、中学では定期試験など膨大な回数の試験があるにもかかわらず、教科の勉強だけに囚われ、自己採点や見直しの方法を教えてもらえないまま、高校入試に臨んでいる可能性が高いように思います。

 

 テストにおいて、「自己採点」や「見直し」をキチンと行うにはある種の技術や経験が必要です。ただ、それに気づかないまま、なおざりにされ続けた結果が、今回のデータに反映されたと考えます。

 

 勉強は勉強だけでは終わりません。勉強の結果がテストで終結するなら、テストの受け方を学ばなければ勉強は終結しません。自己採点に不安のある方、開示得点データを知りたい方はぜひお問合せください。

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