プロ講師による個別指導 浦安駅・妙典駅・行徳駅の個別指導の学習塾なら伸栄学習会

講師 山内雄司

 これまで伸栄学習会は40年の学習指導をしてきましたが、ほとんどの生徒は「勉強の仕方」を間違えている、もっと言えば「勉強の仕方」そのものを知らないことを痛感してきました。一生懸命にまとめノートを作る、教科書を読む、問題集を漠然と解く………もちろん、効果がゼロとは言いませんが、これではいくらくり返しても、成績が上がる可能性はほとんどありません。

そもそも「勉強ができるようになる」とはどのようなことなのでしょうか?

これはつまり、自分の力で解ける問題の範囲が広がる、もっと言えば、「今までできなかった問題が解けるようになる」ことと考えています。例えば、まとめノートを作ることによって、あるいは教科書を読むことによってこれまでできなかった問題が解けるようになるでしょうか。もちろん、ないとは言えませんが、効率的とはとても考えられません(ただし、すごく記憶のいい一種の天才的な子どもは話が別ですが)。

このように考えると、問題集の活用こそが「勉強ができるようになる」条件と言えます。ただし、ここで大きな問題があります。果たして、問題集を効果的に活用できているかどうかです。

まず、問題集は解かなければなりません。しかし、「問題を解いている」ときに力はつくでしょうか。もし解いた問題が「正解」ならば、もともと知っていたことを確認できただけで新しい知識は身につきません。もし「不正解」なら、どこで間違えているかわかっていないので、力はついていません。つまり、問題を解いただけでは何ら勉強ができるようにはなりません。「答え合わせ」はどうでしょうか。これも〇か×かつける作業で、同様に力がつくことはありません。

では、何が最も大切でしょうか。それは「間違えた問題を考え直す」ことです。つまり、どんな知識が足りなかったのか、どこで間違えたかがわかったときが「これまで解けなかった問題が解ける」ようになったときです。

「問題を解く」「答え合わせをする」「間違えた問題を考え直す」の中でどれが一番時間と労力がかかるか考えてみますと、もちろん、「間違えた問題を考え直す」ことです。全体の労力が仮に10であった場合。「間違えた問題を考え直す」は5~7くらいに相当します。ですから、今日は2時間勉強しようとしたときに、問題を解く時間は1時間以内に収めなければなりません。もし、90分も100分も問題を解くことに当てたなら、「考え直し」の時間が残されません。恐らく、おざなりになったままその日の勉強が終わることになってしまいます。

信じられないもしれませんが、多くの子どもはこんな単純なことを知らないで、やみくもに勉強をしています。

でも、まだ先があります。

悲しいことに人間は「忘れる生物です」。せっかく「考え直し」をして「わかった(できたつもり)」になっても、その大半は次の日には忘れています。ですから、間違えた問題は「解き直し(やり直し)」が必要です。

例えば、問題集に答えを書き込んでしまう子どもがいます。これは「やり直し」を放棄することを意味します。新しい知識が蓄積することはありません。問題集を新品の状態のままにしている子どももいます。この子はどの問題を間違えたのか把握することができません。同様に知識が蓄積することはありません。

そこで、伸栄学習会では、問題集の番号のところに「〇×△」をつけることを強く勧めています。問題を解いて答え合わせをしたときに、解説を読んでも理解できなかった場合は「×」をつけます。そして、講師に質問してなぞ解きをしてもらいます。そこでわかったなら、×のヨコに「△」をつけます。

答え合わせしたときに、間違えた、ただし、解説を読んだら納得できるときがあります(このケースはよくあります)。このときは、問題のヨコに「△」をつけます。

そして、子どもが一番喜ぶ、ただし、全然知識の獲得ならないケース、つまり問題に正解したときは「〇」をつけます。〇の問題は、今後、手をつける必要のない問題です。もっと言えば、その子にとって必要のなかった問題といえます。

ここからがいよいよ「本番」です。翌日以降に「△」の問題をやり直しします。子どもの記憶力によって異なりますが、多くの場合、せっかく「わかった(できたつもり)」の問題なのに半分以上が不正解になります。一番、面白みのない(新鮮味がありません)、その上、自分の能力が否定された気になる苦しい勉強です。その子の問題集には、△のヨコにもう1つの△が加わり「△△」が記録として残ります。

そして、翌日以降、また同じ問題に取り組みます。このくり返し学習をすることによって、やがて△が〇になるときがやってきます。ひょっとしたら「〇△△△△△」になっているかもしれません。この時こそ、勉強ができるようになった瞬間です。

私たちは「△つぶし」という言葉をよく使います。これは、今まで述べたように、子どもにとって過酷な勉強を強いることを意味します。でもこの過程はとても大切です。この成果は、単に知識が身についたり、成績が上がったりすることだけではありません、もっと、人生全般に通じる力、例えば、忍耐力や実行力や自己統制力などを体得することを意味します。

たかが問題集、されど問題集と信じています。

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