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2000年4月号……『自己学習力』 塾長/青沼 隆

通信情報革命やグローバリゼーションの進展などに象徴されるとおり、世の中は急激なスピードで変化しつつあります。これまでの常識が常識でなくなったり、せっかく修得した知識もすぐ陳腐化してしまうことも珍しくなくなりました。

一昔前は、大学などで獲得した知識は数十年間通用したとも言われていましたが、今ではこんなことは考えられません。生涯を通じて、常に新しい知識や技術を身に付ける努力が求められる時代になりました。

一方、先の新聞スクラップにも書きましたとおり、今後、日本の社会はごく一部の富裕層と大多数の貧困層に二局化されてしまうことが予想されています。どんな条件が満たされれば富裕層に入れるのかよくわかりませんが、少なくても人並みの程度の努力しかできない人や、平凡な知識や技術しか持ち合わせていない人には厳しい時代になるような気がします。その反対に、専門的な知識や経験を有している人や、独創的なアイディアの持ち主などの人は、ますます時代の寵児になるのではないかと思います。

文部省が提唱する生涯学習ではありませんが、これからの時代を生き抜いていくためには、生涯を通じて学び続ける姿勢がますます求められるのではないかと思います。「勉強は学生時代だけ」という考え方は、時代遅れになったと言えそうです。

ただ、現実の子どもたちを見ていますと、自ら学ぼうとする力は落ちているのではないかと思います。言われたことだけしかやらない、反復をいやがる、楽な方法をとる(書くのは面倒だからざっと読んで済ませる)、責任転嫁する(〇〇先生の教え方が悪いから成績が………)、チェックを避ける等など、いくらでもこの現象をあげることができます。「勉強が嫌いなのだから仕方がない」と言われてしまえばそれまでです。「すぐ先生は勉強と言うが、世の中勉強だけがすべてじゃないよ」という批判も聞こえてきそうです。誠にごもっともと言うべきかもしれませんが、でも時代の移り変わりを考えると、そうも言っていられないのではないかと思います。

もちろん、成績のことを言っているのではありません。学歴の価値が相対的に低くなる中、当然の成績の価値も低くなります。成績と勉強はもちろん高い相関関係にありますが、勉強する力と成績は分けて考えた方がよいのではないかと思います。いずれにしても、これからの時代、自ら学ぶことのできない人間になってしまったらかなり拙いことになるのではないかと思います。

結局のところ、子どもも大人も勉強は自分でしなければなりません。子ども時代に大切なのは、この自己学習力を身に付けることだと思います。自己学習力があれば、必要なときに必要な事がらをいつでもスムースに学ぶことができます。そして、どうもこの自己学習力の価値は、これからの時代、今まで以上に価値を生み、反対にこれがない人にとってはかなり厳しい時代になるではないかという予感がします。もちろん、自己学習力を身に付ける方法は勉強だけに限りません。スポーツ、楽器、美術、芸事………いくらでも方法はあろうかと思います。しかし、勉強もその1つであることは間違いありません。

これまで、勉強というとその短期的な成果である「成績」に結びつけがちでしたが、もっと長期的な成果、すなわちその子どもがどのくらい自己学習力が身に付いたかを考える必要があるのではないかと思います。残念ながら、この自己学習力を測定するモノサシを知りません。ですから、今すぐ客観的にこの成果を判断することができません。しかし、いずれその子どもが生きていく中、結果が見えてきそうな気もします。やはり子どもにはもっと勉強させるべきだと思います。

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