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2013年10月号……『県立高校の入試について』 塾長/青沼 隆

千葉県公立高校の入試は3年前(平成23年度入試)から、1回目の入試が「特色化選抜」→「前期選抜」に、2回目の入試が「一般入試」→「後期選抜」に変わりました。大きな変更があったのは1回目の入試です。特色化選抜では、一部の高校でしか行われていなかった学力試験(ペーパー試験)が、すべての高校で実施されるようになりました。(2回目の入試では、変更前も変更後も学力試験が課せられています。)

当時この変更について、「学力重視」という言葉が頻繁に使われ、この結果、千葉県の入試では「ペーパー試験によって合否が決まる」というイメージが定着しました。制度が変更されすでに3年が経過しましたが、この学力重視というイメージは今でも一人歩きをしているように思えます。

しかし、これは必ずしも正しくありません。確かに前期選抜も後期選抜も学力試験が課せられます。ところが、入試のルール(合否判定方法)は前期選抜と後期選抜では大きく異なります。そして、この「前期と後期とではルールが異なる」というのは、案外、子どもにも保護者の方にも浸透していないようです。先般、千葉県教育委員会が開いた協議会でも、前期選抜・後期選抜の理念が学校現場にも保護者・生徒にも周知されていないことが話題になったと聞いています。

後期選抜は以前も今も学力重視の入試です。基本的に、5教科500点満点の入試得点と中学3年間の学校の成績135点満点(9教科×5点満点×3年間)の合算で合否が決まります。

ただし、前期選抜は全く異なります。5教科500点の部分は基本的にどの高校も同じですが、学校の成績135点の取り扱いは高校によって異なります。例えば、県立船橋高校はこの得点を半分の67.5点に、千葉東高校は4割の54点に圧縮します。反対に、船橋東高校は270点と2倍に換算します。つまり、船橋や千葉東高校は学校の成績がふるわなかった子に有利に、船橋東は反対に成績のよかった子に有利に働きます。

また、前期選抜では成績以外の調査書(内申書)の項目、例えば、3年間の出欠・部活動・生徒会活動・各種検定(英検・漢検等)なども評価され得点化されます。この点数も高校によって異なります。例えば鎌ヶ谷高では最大65点、船橋啓明高では55点、八千代高では40点が加算されます。この加算はすべての受験生に与えられるわけではありません。生徒会活動や部活動をやってこなかった生徒、英検などを受けていない生徒などは加算がゼロとなります。従って、このような加算のない子にとっては、加算の数値が大きい高校(例えば、鎌ヶ谷高など)は、大きなハンデを負う入試となります。

さらに、前期選抜2日目の検査も高校によっては点数化しています。面接や作文も入試科目の1つになっています。ちなみに2日目の入試も、作文・面接・自己表現など高校によって内容が異なります。

以上を要約すると前期選抜は、次の点数の合計で合否が決まる入試と言えます。
①5教科のペーパテスト(500点満点)
②3年間の学校の成績(135点満点×α)
③内申書の記載項目(点数は高校によって異なる)
④2日目の試験(点数は高校によって異なる)
そして、案外、多くの方が③と④を見落としているように思えます。

来年の入試の選抜評価方法(上記の①~④の要項)は、10月18日(金)に各高校のホームページ上で公表されます。必ず、志望校と同レベルの高校の選抜評価方法を詳細にご覧になってください。強くお勧めします。

なお、ご質問などありましたら遠慮なく伸栄学習会までお問い合せ下さい。

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