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2011年1月号……『漢字』 塾長/青沼 隆

漢字を書かない子どもたちがますます増えてきました。ちょっとしたメモやノートの記述はもちろん、試験の答案も漢字を使うべきところをひらがなで済ませてしまう子どもも珍しくありません。以前から漢字を書かない子どもはいましたが、最近では漢字をキチンと書く子の方が珍しくなってしまったように思えます。

塾の講師をはじめた20年以上も前のことですが、父親の名前を漢字で書けない子どもがいたのにひっくり返るほど驚いた経験があります。しかし、今ではこんなことでは驚かなくなりました。さすがに自分の名前を漢字で書けない子はいませんが、この名前すら漢字で書こうとしない子どもたちはよく目にします。一種のファッション(?)として自分の名前をひらがなで書く子はいましたが、最近はどうもそれだけではなくなったように思えます。

漢字を書かなくなったのは、熟語の交ぜ書きも一因だろうと思います。小学生の国語教科書にも、完ぺき(完璧)、屋しき(屋敷)、特ちょう(特徴)などという表現が出てきます。各学年で習う漢字が決められていて、まだ習っていない漢字がひらがなで表記されるためです。

テストの評価方法も一因かもしれません。学校の試験や入学試験では、漢字で書くように指示されていない場合、ひらがなで書いても○をもらえます。その一方、漢字を間違えてしまった場合は×になります。こんなことも、子どもを漢字から遠ざけているのかもしれません。

ただ、現実問題としては、漢字を書かなくても恥ずかしいという気持ちがなくなったこと、それに、漢字はひらがなと比べて画数が多いのでメンドウ、というのがより大きな原因ではないかと思います。

言うまでもなく、日本語の文章では漢字の役割は極めて重要です。ひらがなの極端に多い文章は読みにくく読解に時間もかかります。速く文章を読む際には、漢字に着目して読んでいくのが一般的です。子どもたちの書く文章から漢字が消えつつあるのは、国語文化の継承という点でも残念なことです。

漢字を正しく覚えることはもちろん重要です。それと同時に、せっかく覚えた漢字を正しく使用していくのも同様に重要です。ふだんの生活の中でも、お子さまの文章にお気遣いをいただけたらと思います。
す。

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