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2015年3月号……『振替』 塾長/青沼 隆

伸栄学習会では4月から授業の振替を行います。体調不良、ご家庭の事情などのため授業を欠席した場合、他の日に振り替えて授業を行います。これまでも、学校行事(修学旅行など)や忌引きなど特別な事情がある場合は振替を行ってきましたが、この範囲を広げることにします。

実はこの振替、伸栄学習会としては「苦渋の決断です」。

大半の保護者の方からは歓迎されるかと思いますが、ホンネとしては、できれば避けたかった措置です。保護者の方のお気持ちはよく理解できます。高い授業料を支払っているのに、風邪などによって欠席すればその分ムダになります。たまらないお気持ちだったと思います。

一般に一斉授業の場合、大人数を抱えている塾を除けば「振替なし」のところが多く、一方、個別指導の場合は「振替あり」のところが多いようです。一斉授業の場合は物理的に困難、個別指導の場合は容易というのが理由だと思います。その意味で、個別指導でありながら「振替なし」というのは不親切にお感じなってこられたと推察します。

ただ、伸栄学習会が「振替なし」としてきましたのは、不親切であったからでは決してありません。講師は事前に授業の準備をしていますので、二度手間になります。仕事が増えますのでもちろん歓迎はできません。ただし、これが理由ではありません。そうではなく、学習の効率、学習の習慣をつけるために振替は問題が多いと考えてきたからです。

もう20年ほど前の話です。伸栄学習会は個別指導を始めました。現在の大手チェーン塾同様に、アルバイト講師による生徒2、3人の個別指導です。当時は今と違い、個別指導を行っているところはほとんどありませんでした。駅前の塾はすべて一斉指導の塾でした。そういう時に、生徒・保護者の便宜を図るため振替授業を取り入れました。

ところが、実際にはじめてみると、放課後5時くらいに、生徒から「今日は欠席します。振り替えて下さい。」という電話がかかり始めました。生徒本人はそのようには言いませんが、明らかに友達と一緒に遊びに行くためです。さらに、振替の授業をするはずの日にも、また都合が悪くなったから他の日に振り替えて下さい、となり、本人が振替の振替日がいつなのかワケがわからなくなる、という事態に発展しました。現在も多くの個別指導塾が同じ問題を抱えていると耳にします。

もちろん、生徒の多くがそうだというわけではありません。ただ、欠席→振替のケースは増えました。塾で勉強する時間は1授業で90分か45分です。いつ勉強しようが、同じ時間勉強すれば効果は同じ、と捉えられがちです。しかし、事実は違います。勉強には「習慣」や「ケジメ」がとても大切です。子どもにとって、決められた日に、決められたテンポで勉強することはとても大切です。ペースが乱れると効果は確実に落ちます。振替はせっかくの学習テンポや習慣を台無しにします。

「休むのはもったいない」というのはその通りです。しかし、「振替をすれば同じ効果が得られる」というのは誤りです。4月から振替を導入するに当たって、安易に振替が使われ、せっかく作られた(作ろうとしている)学習習慣が損なわれるのではないか、とても危惧しています。

振替はないよりあった方がマシというのが今回の判断です。難しい問題ですが、保護者の皆さまには、以上ご理解いただけますと幸いです。

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