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2011年12月号……『忘れ物』 塾長/青沼 隆

子どもを指導していて悩ましい問題の1つが忘れ物です。ふで箱を忘れた、ふで箱は持ってきていたもののエンピツを忘れた、テキストを忘れた、ノートを忘れた、学習管理帳を忘れた………そのたびに、講師は子どもに注意をしつつ、同時にエンピツを取り出したり、塾に備え付けのテキストを取り出したりと対応に追われます。

昔、私たちの世代が子ども時代、忘れ物はかなり厳しく注意された記憶があります。「気がたるんでいるから忘れ物をするんだ!」という先生の声が、まだ耳に残っています。ただ、現在、学校では忘れ物はあまり厳しく注意されないようです。そんなこともあるのか、忘れ物そのものを、恥ずべきものと認識していない子どももいるように思えます。

ノートを忘れた子どもの中には、「買いに行く時間がなかった」と言う子もいます。ただ、昔の文房具屋ならともかく、今の時代、コンビニに行けばいつでもノートくらい買うことができます。そして、このような子は、ノートばかりではなく、テキストなどいろいろなものをよく忘れてきます。厳しく注意をしつつも、なかなか改善しないのが実情です。

さらに、当然といえば当然ですが、忘れ物と子どもの成績は強い相関関係があります。忘れ物をする子どもはしばしば忘れ物をするし、そのような子どもは成績がふるわず、その上、なかなか伸びないのが実情です。だらしなさは忘れ物だけではなく、勉強全般にも現れています。

もちろん、忘れ物は塾の講師にも大きな責任があります。講師が甘いから、子どもが改善しないという側面は確かにあります。「塾の講師たるもの、忘れ物の指導なんかできないなら直ちに消え去れ」と言われればその通りかと思います。

ただ、長年、塾で子どもたちと接してきましたが、子どもたち自身もこの間に大きく変貌したのも事実です。一昔前なら、「忘れ物=恥ずべき行為」という認識を持たせるのが割と簡単でした。ただ、今はそうではありません。「ノートなんて持ってこなくたっていいじゃない。どうせ、紙をもらえるんでしょう。」と正面から言われると、なかなか指導しづらいのが実情です。講師は、言葉では、「そうではなくて、そもそも勉強というのは………」と注意しつつも、その言葉が、子どもの心に届きづらくなってきています。

忘れ物は単に忘れ物だけではありません。勉強はもちろん、恐らく生活全般に及んでいるように思えます。塾として最善を尽くすのは当然です。ただ、同時にご両親さまと共同歩調を取れたら幸いと考えます。

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