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2013年5月号……『学びのプロセス』 塾長/青沼 隆

「学校の勉強は実社会では役に立たない」と言われることがあります。確かに英語を全く使わない職業はたくさんあります。仕事で二次方程式を使わないで生涯を終えられた方もたくさんいらっしゃいます。ただ、だからといって英語や数学を学ぶことがムダだとは思えません。1つ目は英語や数学を使って実社会で活躍している方も多数いること、2つ目は英語や数学の「学びのプロセス」が実社会でもほぼそのまま通用するのではないかと思われるからです。

学びのプロセスの1つの具体例として学校の定期試験を考えてみたいと思います。定期試験は期日が定められています。従って、この日程に合わせて子どもたちは事前に準備を進めます。中学校では通常5教科、高校ではもう少し多い教科が課せられるのが通常です。

子どもたちは点数を獲得するために事前に計画を練ります。例えば、数学の範囲は正負の計算と文字式の一部、教科書は○ページ、問題集は△ページ、苦手な部分は指数の計算と文章問題。2週間前から試験勉強をはじめて、目標は90点。そのために1日に教科書1ページ、問題集2ページ進める。わからないところは塾や学校の授業で質問する。単に問題を一度解くのではなくて、間違えたところは翌日以降にやり直しする………

そして、この計画に沿って勉強を進めます。ただ、計画通りに進むことはまずありません。途中でわからないところがたくさんあって、前に進まなくなることもあります。質問しようと思ったら、先生がつかまらないこともあります。そういうときは軌道修正しつつ試験の準備を進めます。そのうえ、試験は数学だけではありません。英語もあるし理科もあります。

これまで塾の教師の経験では、目的意識(例えば絶対に90点以上取ろう!)がしっかりしていて、計画がしっかり立てられる子どもほど高い得点を取ることができると実感しています。

実はこれは実社会の業務と共通する部分がたくさんあるのではないでしょうか。例えば、会社の懇親会でお花見の幹事を命じられたとします。期日は4月の第一土曜日。参加者は部内のスタッフと取引先の3氏。場所は✕✕公園、費用は概算◯◯円、当日は最初の乾杯の後、△△の余興を行って………と計画を立てます。

そして、日々の業務の進行の中で計画を具体化します。例えば、予算の使い道についてお酒は◯◯円、ツマミで◯◯円、ただ、部長が焼酎派であまり肉類は好きでないことが判明、だからお酒はこう、つまみはこうに変更。参加予定の取引先のB氏が出張で参加できなくなった。代わりにC氏に声をかけよう………と軌道修正していきます。担当業務はお花見だけではありません。それ以外にもたくさんあるはずです。それらの業務のバランスを取りながら、お花見の準備を進めます。

恐らく、優秀な社員ほど、当日でのお花見では参加者に高い満足を提供でき、万一、途中で雨が降ってしまうなどのアクシデントがあっても的確な対処ができることでしょう。

このように考えると、目標の設定、計画立案、業務の遂行、予定外の対処など、子どもの定期試験と実社会の業務にはたくさんの共通点があります。定期試験は単に成績だけの問題ではありません。定期試験を通じて学べることは、単に正負の計算の解き方だけではありません。これを通じて修得した力は、将来、社会人となったときにも役に立つのだと確信しています。「学校の勉強は実社会では役に立たない」というのは誤りではないかと感じています。

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