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2007年7月号……『子どもの心』 塾長/青沼 隆

お母さま方から、「ウチの子、私の言うことなんか聞かないから、先生から言ってやって下さいよ」という依頼を受けることがあります。こんなときに、「お母さまの話を聞かないなら、私なんかが何を言ってもムダですよ」と答えることがあります。お母さま方は、あまり面白くなさそうな顔をします。

お母さまが、何をおっしゃりたいのか、何を期待されているのか、実はわからないわけではありません。子どもは親の前では反抗します。甘えもあります。一方、他人、特に塾の教師には反抗しづらい雰囲気がある、だから、それなりに耳を傾ける………たぶん、こんなことを期待されているのだと思います。

確かに、親の前で反抗している子どもも、私たちの前では大人しくします。同じ言葉であっても、親にはそっぽを向いた子どもが、私たちの言うことを聞き入れることもあります。その限りでは、確かに、子どもは私たちの言うことを聞いたことになります。
しかし、だからといって、私たちに「重み」があるわけではありません。なぜなら、私たちは、ご両親さまの言葉を代弁しただけであって、これ以上でもそれ以下でもないからです。

どういうことかと言うと、「子どもは親にしか従わない」ということなのです。
例えば、仮に、私たちが「(私たちにとっての)正論」を述べたとします。しかし、それが、親の意向と一致しないならば、多くの場合、子どもたちは私たちの話をマトモに聞きません。子どもたちはバカではありません。私たちが熱心に「正論」を述べれば、真剣に耳を傾ける、あるいは傾けるフリをします。ただ、それが、聞き入れられることは滅多にありません。進路の選択などにこれを感じることがよくあります。

「大人は自分がかつて子どもだったことを忘れている」と言われます。だから、大人は、子どもにとって最も大切なことが「親を喜ばすこと」であることを忘れているとも言われます。実は、私自身も個人的には遠い昔に忘れていました。

ただ、職業柄、子どもたちと接する機会が普通の方よりたくさんあります。子どもたちを何気なく見ていると、彼らの本心が、「親を喜ばすこと」にあるのを感じることがよくあります。よい成績を取ってウレシイのは、自分がよい学校に行けるからではなく、「親の喜ぶ姿を見られるから」のような気がします。

子どもというのは本当にかわいいものだと思います。

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