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2014年9月号……『大きくなったら………』 塾長/青沼 隆

「大きくなったら何になりたい?」………子どもへの質問の定番の1つです。小学生ですと、男子はサッカー選手、野球選手、女子は食べ物屋さん、保育園・幼稚園の先生が上位に並ぶそうです。子どもに将来の夢を持たせること、夢に向かって日々の生活を営むことは悪いことではありません。でも、どうも以前から、子どもに将来の職業を尋ねることにしっくりこないものを感じていました。

そんなところ、先日、キャリア教育を研究するある大学教授から興味深い話を聞きました。同教授によると、今、多くの学校現場ではキャリア教育の一環として、「将来どのような職業につきたいか」「30年後はどのようになっていたいか」を子どもに問うているが、このような教育は止めにすべきではないか、というものでした。

やりたい職業を問うても、子どもたちは(高校生段階でも)、社会の仕組みやどのような職業があるかを知らないこと、やりたいことや夢だけを教える前に自分ができること・なすべきことを教える必要があること、現実の企業は「就社」が前提で、その企業で何をやるかは多くの場合自分で決められないこと、以上を理由として指摘するものでした。

厚労省が発行する「職業名索引」によると、現在、わが国には17,000種類もの職業があるそうです。私自身も果たしてそのうちどれだけを知っているかまったく自信がありません。また、高校生に知っている職業を書き出させると、せいぜい50程度しか出てきません。その意味では、社会の仕組みを学ばないまま、なりたい職業を問うても意味があるとは思えません。

スタンフォード大学のクランボルツ教授によると、「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」とのことで、好奇心・持続性・楽観性・柔軟性・冒険心の重要性を説いています(『その幸運は偶然ではないんです!』ダイアモンド社)。つまり、私は将来の職業を見越してそれに向かって努力することは悪いことではないが、現実問題として多くの人々は予想しなかった偶然により、現在の職業・地位を獲得していると理解しています。

高校生と将来について話をしていると、将来の職業の夢を描けていないことについて罪悪感を感じているケースに出会います。そのようなときには、上で述べたような話をしますが、そもそもこのような罪悪感を抱かせる今の風潮に疑問を感じています。子どもが夢を持つのはよいことです。でも、もっと大切なことは、生きていくためには社会貢献をしなければならないこと、仕事はその義務を果たす手段の1つであることを学ぶことではないかと考えております。

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