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2003年5月号……『人生の短さについて』 塾長/青沼 隆

お正月が来たかと思ったら、もう節分。豆まきを忘れていたうちに、桜の花もすでに散ってしまいました。春もあっという間にに終わり、暑い夏が来て、気付いてみたら除夜の鐘がなっている………たぶん、今年も足早に過ぎ去っていってしまうのだろうと思います。1年の何と短いこと。平均余命から逆算すると、こんなことをもう30回もくり返すとお役ご免になってしまいます。すでに2000年前に、ローマの哲学者セネカ(Lucius Annaeus Seneca AD3-65)はこのことを悟っていたようですが、わが身をふり返って改めてこれを実感します。

昔、ある酒場で、人間の1年間の実感は、単純な整数で表されるのではなく年令の逆数になるのだと聞いたことがあります。即ち、生まれて1年目(1歳)は1年、2年目(2歳)は1/2年、3年目(3歳)は1/3年と、その長さは年を追う毎に減っていくのだということです。これでいきますと、30歳の1年は1/30年、50歳のは1/50年の長さしかないことになります。ふり返ってみますと子どもの頃の1年は途方もなく長いものでした。小学校6年間の長かったこと。いつになったら卒業できるのやら絶望的な思いにとらわれたのを思い出します。

先日、ちょっと気になったことがあって、この逆数の年令計算をしてみました。下表がその計算結果です。これによりますと、例えば、現在、30歳の人は、この1年の長さは1/30(0.03)年で、これまで積み重ねてきた逆数年の累計(1/2+1/3+1/4+………+1/30 逆数年の年令に相当)は3.99歳となります。30年も実際に生きてきたのですが、実感としては3.99年しか生きていないことになります。そして、この人は1歳の誕生日を迎えたときにはすでに人生の1/4(3.99分の1)が終わっていた計算になります。さらに、30年間の中間地点はどこかというと、3.99を2で割った2.00年(表の「÷2」の項)、それは実年齢3歳と4歳の間とということになります。(3歳の逆数累計は1.83、4歳の逆数累計は2.08ですから、2.00年はこの1.83と2.08の間にあることになります)30年も人生を経験しつつも、その中間地点は3~4歳であった、逆に言えば、4歳になった時点で人生の半分が終わっていたという計算になります。

仮に40歳の人の場合は、実感年令(表の「逆数累計」)は4.28歳、人生の中間地点(「÷2」の項の2.14歳)は4歳の時だったことになります。そして、これから80歳まで生きたとしても、実感としては4.97-4.28=0.69歳分、即ち、半年強しか生きられないことになります。

また、仮に、100歳の長寿を全うしたとしても、その中間地点は7歳です。人生は小学校に入学したときには、もう半分が終わっていることになります。あるいは、昔は、7歳までは「神の子」と言われていましたが、人生は、「神の世界」と「人の世界」がそれぞれ半分ずつという計算も成り立ちそうです。

何れにしまして、私に残された人生は半年分の実感しかありません。セネカが警告したように、無駄な時間を費やしている暇はなさそうです。1日1日を大切に生きていく大切さを自戒する次第です。

実年齢 逆数年 逆数累計 ÷2 実年齢 逆数年 逆数累計 ÷2
1 1 1 0.5 20 0.05 3.60 1.80
2 0.5 1.5 0.75 30 0.03 3.99 2.00
3 0.33 1.83 0.92 40 0.03 4.28 2.14
4 0.25 2.08 1.04 50 0.02 4.50 2.25
5 0.2 2.28 1.14 60 0.02 4.68 2.34
6 0.16 2.45 1.23 70 0.01 4.83 2.42
7 0.14 2.58 1.30 80 0.01 4.97 2.48
8 0.13 2.72 1.36 100 0.01 5.18 2.59
9 0.11 2.83 1.41 752 0.001 7.20 3.60
10 0.1 2.93 1.46 1000 0.001 7.49 3.74

実年齢………実際の年令
逆数年………自分で実感する1年間の長さ(年令の逆数)
逆数累計……これまでの「逆数年」の合計

(例えば10歳の場合、1/1+2/1+1/3+………+1/10の合計)
÷2…………逆数累計を2で割ったもの。実感として感じられる人生の中間地点の年令

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