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2001年9月号……『中高一貫校に勝つ方法』 塾長/青沼 隆

高校別の東京大学合格者順位表を見るまでもなく、大学受験においては私立の中学高校一貫校が圧倒的に優位に立っています。千葉県内のトップ高といわれる県立高校でも、国公立大学への現役進学者の割合は、千葉高=14%、船橋高=20%、薬園台高=13%、国府台高=3%に留まっていて、一方、50%程度の生徒が浪人を余儀なくされています。これは県立高校に限ったことではなく、私立高校(公立中学から私立高校に進学した生徒)もだいたい同じような傾向にあります。来春から実施される学習指導要領の改訂(いわゆる教科内容の30%削減)の影響もあり、ここしばらくは私立中学の受験熱が高まると予想されています。これにより私立中のレベルは更にアップし、一方で教科内容の削減の影響もあり公立中出身者の苦戦が続きそうです(文部科学省は教科内容の削減が学力レベルのダウンにつながることはないと主張していますが………)。

私立の中高一貫校はさまざまな点で有利な立場にあります。その中でやはり特筆すべきはカリキュラムだと思います。私立の多くは先取り学習を行っていて、5年間(中1~高2)で全カリキュラムを終了し、高3では入試演習を行っています。大学入試出題される問題を解くためには、入試テクニックや高度の解法技法を身につけなければなりません。時間もかかります。しかし、公立中学出身者にはこの時間がありません。高校3年終了間際に全課程が修了し、時間のないまま入試に突入しています。このハンデは決定的ともいえます。

翻って、現在、当学習会には、地元の公立中学で学んでいる子どもたちが大勢通っています。公立学校の学習が削減される中、平成16年度から国立大学の入試科目が原則5教科7科目(英数国に理科2科目、社会2科目)に増えるなど大学入試の難化も予想されます。これらを考えますと、公立中学校はますます不利な状況に置かれるのではないかと思います。しかし、それはそれとして方法がないわけではありません。以下、地元の中学にこれから通う小学生、現在通っている中学生、すでに卒業した高校生に次の提言をいたします。

●小学生
少しでも余力があれば、算数を学年にとらわれず先に進めましょう。特に幹となる計算分野を中心に進め、高校の数学ではあまり重要視されない「文章題」にはあまり深入りしないほうが良いと思います。文章題が原因で算数嫌いになるのは一番莫迦らしいことです。
できれば、英語も進めた方が良いと思います。英語にはいろいろな考え方がありますが、「お稽古英語」「海外旅行英語(俗に言われる“使える英語”)を避け、オーソドックスな英語を学んだ方が将来につながります。英検を目標にするのが一番現実的だと思います。

●中1・中2
英語・数学をどんどん先に進めましょう。学年の枠にとらわれる必要は全くありません。厄介なのが「中間テスト」「期末テスト」です。この準備に多くの時間をかけると先に進めなくなります。学校の成績とのバランスも大切ですが、中1・中2の成績は高校進学の内申点には響きません。来春からの新カリキュラム導入も踏まえ、ある程度“学校離れ”をする割り切りも必要ではないかと考えます。
標準レベルの問題演習をたくさんやって、スピーディーに解ける力を養い、英語では暗記や音読のくり返しを大切にすべきです。「やり方を忘れた」「ミスをしてしまった」というのは勉強不足であることを認識すべきです。

●中3
現在、中3生の意識は高校受験に向かっています。大学受験と言ってもピンとこないかもしれませんが、現在、私立では高1の内容を学んでいることを認識すべきだと思います。当学習会の中3生も、何人かは中3の全単元を終了しています。まだ、中3の単元を終了していない生徒も、今後、高校入試への意識の高まりからペースアップすることが期待されます。ですから、現段階ではまだそれほどの差はついていません。
しかし、これからは違います。高校入試終了までは中学範囲の総まとめに時間を費やさねばならないことと、もう1つは(こっちの方が大きな問題ですが)、多くの中3生は高校受験終了とともに勉強を中断してしうことです。高校入試終了(推薦入試の合否は1月に決まります)とともに勉強を中断し、高校に授業が本格的に始まる5月の連休明けまで何もやらない生徒も珍しくありません。この時点には私立中出身者は高2の内容を学んでいます。ただでさえハンデを負っている公立中が、高校入試で“燃え尽きてしまったら”その後はありません。
高校入試が終了したら、その翌日から高校の先取り学習を進めるべきです。大学進学を考えている人は、このことを今からしっかり認識しておくことを切にお勧めします。

●高1・高2
学校のペースで進んだら“浪人”を余儀なくされます。とにかく、高2終了時点で主要科目を終了させるられる計画を立てることをお勧めします。高1はともかく、高2からは「そんなのムリだ」という声も聞こえてきそうですが、とにかく、そのペースで進めること。

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