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2006年2月号……『わり算』 塾長/青沼 隆

子どもたちの計算力が落ちています。スピードだけではなく、数の処理そのものの力が落ちています。例えば、一昔前なら、大半の子どもは2桁×1桁のかけ算(65×3)を暗算でやっていました。ところが、今の子どもの多くはこれを筆算しなければできません。さらに、2桁÷1桁のわり算(75÷8)となると、暗算どころか計算そのものが円滑にできない子どもが珍しくなくなくなってしまいました。

小2から九九を学びます。さすがに、九九はほぼ全員が覚えるようです。しかし、九九を覚えた後、8×6のような計算からだんだん怪しくなる子どもが出てきます。かけ算は九九を覚えただけでは対処できません。九九の2×2から9×9までを瞬時に取り出す技術が必要になります。これができない子どもは、8×6をやるのに、8×2,8×3、8×4………と8の段を頭から唱えなければなりません。8×6を解くのに、8×2………をやったり、あるいは6×8と入れ替えて計算するようでしたら要注意です。

わり算はさらに複雑になります。75÷8をやるためには、この問い(75÷8)には書かれていない8×9を頭の中から取り出す必要があります。これをスムースに取り出せないと、計算にとても時間がかかります。

1桁のかけ算やわり算を行う時間は、1題で1.5秒以内、悪くても3秒以内に収めなければなりません。これ以上時間がかかれば、必ず、算数や数学のどこかの単元でつまずきます。

最近、当学習会の小中学生を見ていて感じるのは、このわり算がスムースにできない子が増えてきていることです。実は、つい最近までは、「かけ算ができる子はわり算もできる」というのが私たち教師の常識でした。ですから、授業前に行っている百マス計算でも、たし算、ひき算、かけ算までしか行ってきませんでした。ところが、現実の子どもたちを見ていると、これまでの常識は通用しなくなってしまいました。

この1月の授業の途中からから、百マス計算にわり算を入れることにしました。やはり、わり算がスムースにできない子が相当いました。これから、これらの生徒の対策を検討して、自宅学習を含めてお打ち合わせさせていただけたらと考えております。

しかし、それにしても、子どもたちの学力はどんどん低下しています。今から、10数年前、分数のたし算ができない中学生を初めて目にしてとても驚きました。その数年後、2桁×2桁のかけ算をやるのにすごく苦労している中学生を見てやはり驚きました。しかし、今や、こんな子どもを見ても少しも驚かなくなってしまいました。そのうち、九九ができない子どもを見ても驚かなくなってしまうのでしょうか。塾の役割を再認識する次第です。また、是非、ご自宅でも、毎日コツコツ計算練習をさせて下さい。

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