2018年12月号……『知識・技能』 塾長/青沼  隆

世の中の変化がますます速くなっています。保護者の皆さまも思い当たるということが多いのではないでしょうか。世間でも、これまで培った知識や経験が通用しなくなってしまった、新しい知識や技能の習得が求められるといった声が増えています。通勤時間あるいは休みの日なども、勉強しなければならなくなったという方も多いようです。

 

知識や技能の修得は簡単ではありません。本を斜め読みし、テレビやインターネットのサイトを見るだけでは正確な知識は身につきません。何度も反復練習したり、実際にペンを動かしたりする演習も必要です。場合によっては実地のトレーニングが必要になることもあります。まして、成果を試験や検定で判定されるとなると、生半可なやり方では通用しないでしょう。本格的な取り組みが必要です。

 

試験・検定となると期日があります。合格するためには時間を逆算して計画を立てなければなりません。計画を立てるのもそれなりにメンドウです。まして、計画に沿って毎日、実行していくのは辛いものがあります。体調が万全ではない日もあります。想定外の雑用が入ったり、悪友の誘惑を受けたりすることもあります。そんなこんなの妨害を受けながら、計画に沿って実行していくにはかなりの忍耐力も必要になります。

 

そして、結果は非情です。合格できればよいのですが、不合格となると言い訳は一切通用しません。場合によっては家族からも冷たい目で見られるかもしれません。

 

こう考えますと、知識・技能の習得とは奥の深いものです。「暗記さえすればいいんだろう」というのは、外部の無責任な評論家が言うことであって、当事者はそんな一語では済まされるものではありません。百歩譲って「暗記」という言葉を使うにしても、その背後には、計画性・実行力・忍耐力・自主性等などさまざまな要因が絡み合っています。そして、これらの計画性や実行力などを鍛えていくことは、人間を育てる大切な要素の一部とも言って過言ではありません。

 

もちろん、これらのことは子どもも同じです。むしろ、子どもこそ、学びは本業であることを踏まえれば、大人以上に大切かもしれません。よく、「勉強ができるだけはダメだ」と言われます。確かにそれはその通りです。頭でっかちというだけの人間では、社会を生き抜いていくのは難しいのは当然です。しかし、だからといって、勉強が不必要であるわけではありません。知識や技能を身につける勉強は人間を鍛えます。そしてその力は、世の中を生き抜く上でとても大切な力になります。

 

勉強にはさまざまな側面があります。知識・技能はその1つです、これ以外に、例えば、自ら考える力を育てる、問題意識を持って自ら設問を設定する、他の人と協調する等などはこの一例かと思います。しかし、何があっても、知識・技能の修得なくして先には進みません。まずは、この原点を大切にしたいと考えます。

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