2019年8月号……『受験生ならやっぱり200時間』 講師/山内 雄司

 

「受験生なら夏休みには200時間の勉強量が必要」

受験業界ではよく言われる言葉です。そして、このことは3年前にもここに塾長が書いています。そのときには、受験の対策をするために、9月以降のことを考えると、どうしても夏期に200時間が必要だという内容でした。

今回は、それとは少し違った角度でこの言葉について考えてみます。

入試が近づけば、まずほとんどの生徒は「真剣」になります。自分のできないところを見つめ、あとどのぐらい得点すれば合格できるのか考えます。私たちのアドバイスにも耳を傾け、時間いっぱい粘ろうとします。その姿は本当に頼もしく素晴らしいものです。

ただ、「もっと早くからこうなってくれれば・・・」という思いは拭えません。

部活に打ち込んでいる生徒は、「部活さえ終われば一所懸命に取り組むよ」と言います。では、この夏に引退となったその日から、なりふり構わず勉強に向かうものでしょうか? 残念ながらそうはいきません。多くの生徒や、ときには保護者の方も、「思い立ったらそのときから勉強に取り組めるはずだ」と思われているようですが、実際にはそうはいきません。

まず、ある程度の時間机に向かうということにさえ、練習が必要だからです。
「今日から気持ちを入れ替えてがんばろう!」そう本心から思った子どもでも、長時間机に向かい勉強に取り組むことはできません。それは、体力的なこともあるし、ゲームや動画等の誘惑に負けないほど意志の強さが鍛えられていないこともあります。気持ちはやる気でも、わからない問題がいくつか続くともう手が止まってしまうこともあるでしょう。そこから「勉強を続けろ」と言われても、どうしたらいいかわかりません。

机に向かうにも、そのための練習が必要なのです。

これも以前にご紹介した話ですが、劇画原作者で有名な小池一夫先生から何度か話を伺う機会がありました。小池先生が、これからプロの漫画家を目指す人にまず実行させるのが、「毎日1時間は机に向かうこと」です。マンガを書かなくても、ペンを持たなくてもいいので、ただ白い紙を目の前に置いて、じっと1時間それを見続けること、それをプロ漫画家を目指す人への第一歩として課しているのです。

これはなかなかできることではありません。大人であれば、仕事も家事も、そして私用も増えてきます。それでもその中から毎日1時間を確保して机にじっと向かうなんて、よほどの覚悟が無いと続きません。しかし、それすらできないならば、プロの漫画家になるなんて夢のまた夢です。

子どもたちも、いずれは人生の進路を決める試験なり仕事なりに出会います向上心を持つ限り、長い期間没頭して取り組まねばならないときは必ずあります。だから、そのときに「没頭できる力」を持っていることが必要になるのです。

受験、夏休み、塾の課題等といったこれらは、そういう力を身につけるのにふさわしい貴重な機会です。そういった力を身につけるために、時間管理帳を利用して、なんとしても200時間の勉強を達成して下さい。

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