2002年2月号……『高校入試制度が変わる』 塾長/青沼 隆

千葉県教育委員会は、去る1/16に、来年春から公立高校の入試制度を次の通り変更すると発表しました。
①調査書に記載する成績を、現行の中3の1年分から中1~中3の3年間の合計値 に改める
②現行の10段階相対評価を5段階の絶対評価に改める

おわかりづらいかもしれませんが、この変更は、小6・中1・中2に重要な影響を与えます。当塾では、このため、2/2.9に保護者・生徒を対象に説明会を開催いたしました。当日、ご参加できない方もいらっしゃいますので、この変更が、なぜ重大な影響を及ぼすのか記したいと思います。

そもそも公立入試の仕組みとは
公立高校の入学試験は、1月の「推薦入試」と2月の「一般入試」の2回に分かれて行われます。入試の方法は、「推薦入試」では作文と面接が(面接だけの高校もある)、「一般入試」では5教科の学科試験と面接(もしくは小論文)が課せられます。多くの高校は定員(100%)のうち、「推薦」で40%、「一般」で60%を募集します。千葉県の公立入試では合否の選定基準が明らかにされていません。ですから、なぜAさんが合格して、Bさんが不合格になるのか実際のところはよくわかりません。ただ、いろいろな資料から判断しますと、次のように調査書(内申書)に記載された成績(学校の成績)が決定的に重要だということが判明しました。

◆「推薦入試」では、調査書の成績だけで合否が決まる。
(即ち、試験当日課せられる作文や面接は形式的に行われるだけで、ほとんど合否に  影響がない。)
◆「一般入試」では5教科の入試得点と、調査書の成績の合計値で合否が決まる。 (
高校によって異なるが、内申書のウエイトは15%から50%程度、逆に言えば、  入試得点のウエイトは85%から50%程度となっている。)
そして、今回の県教委の改訂は、この「調査書」についての変更であるわけです。なお、上記の合否基準は全体的に捉えた場合の話で、個々の高校を取り上げると多少事情が異なる点をご了解下さい。

中3の成績から中1~中3の成績へ
今年の入試までは、調査書には「中3の1学期+2学期」の成績だけが反映されていました。ですから、中1・中2の時の成績は一切関係ありませんでした。しかし、現中2の入試からは「中1~中3の3年間の合計値」が評価対象となることになりました。これが変更の第1点です。これまでは、中3だけが評価対象となっていたのに突然、中1と中2の成績も含まれることになってしまったのです。従って、中1・中2の皆さんにとっては競技中に突然ルールが変わったことを意味します。特に、中2の皆さんにとっては中1の時の成績は今さら変えようがありません。影響は甚大といえます。
また、これと関連して考えられますのは、中1・中2の皆さんにとって、現学年の調査書上の成績がこの3学期の成績で決まる可能性が大きいことです。というのは、1学期・2学期はもう過ぎてしまっていて、3学期の期末テストはこれからだからです。多くの中学校では、3学期の成績を重要視するのはほぼ間違いがないと思います。もしそうなら、今度の期末テストは公立入試の総得点の1/3(3学年のうちの1学年分)に相当します。中1・中2の皆さんにとって、今回のテストは入学試験」そのものとなります。単なる「学校のテスト」ではありません。頑張らなくてはなりません。

10段階相対評価から5段階絶対評価へ
もう1つの変更点は、「相対評価」から「絶対評価」に変わることです。「相対評価」というのは、中学全体の中での成績順位によって点数が決まる評価システムです。ご両親さま方の中学時代の成績評価方法です。例えば、5段階評価では、「5」は全体の7%、「4」は24%、「3」は38%と決められており、仮に生徒が200名いた場合は、「5」は14名にしかつきません。どれほど優秀な生徒がいても、14名を15名にすることは許されません。
「絶対評価」はパーセントの縛りは一切ありません。それぞれの教科の到達度によって、極端な話では、全員が「5」であっても構わない評価システムです。現在の小学校の評価が「絶対評価」の典型です。それぞれに一長一短がありますが、「絶対評価」は教師の主観が入りやすいこと、評価が全体に甘くなる傾向があります。ただ、問題は絶対評価が入試の調査書で使われることにより、次のようなアンバランスが生じることです。即ち、ある中学では甘い評価が付けられ、別の中学では辛い評価が付けられることです。また、同じ中学でも、先生によって甘い評価が付いたり辛い評価が付いたりすることも考えられます。恐らく、この冬には、千葉県のあちこちでこのことが話題になるだろうと思います。しかし、このアンバランスは解決不可能です。その結果、甘い中学や甘い先生に巡り合った中学生はより多くの合格を勝ち取ることになります。厄介なことになるのは間違いありません。

以上の通り、今回の変更は小6・中1・中2の皆さんに重大な影響が及びます。制度の変更の内容を是非ご理解いただければ思います。

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