2014年10月号……『韓国の英語教育』 塾長/青沼 隆

韓国では国際社会で通用する英語力育成を目的に、1997年より小学校からの本格的な英語教育が実施されています。教育再生実行会議の議事録によると、高校までに学ぶ英語の単語数は、「中国が6150語、韓国が8200語、台湾が5180語であるのに対して日本は3080語」とあり、アジア諸国の中で日本の立ち後れが指摘されています。

文科省もグローバル化の進展などを背景に危機感を感じ、英語教育の抜本的見直しに着手しています。2020年をメドに英語の授業開始は小3に前倒しされ、小5・小6では正式教科として週3時間で英語の授業が行われることになります。指導の中身も、現在の文法中心英語ではなく、話すこと(speaking)に主眼を置いた「使える英語」に変わります。

日本で2020年から本格的な小学生英語が始まるとしても、韓国とはすでに20数年の差が生じています。ただ、韓国の英語教育は学校の教師の養成が立ち後れ、必ずしも満足した成果が上がっていない、というのが一般的な評価になっています。また、これを補完しているのが韓国の学習塾の存在で、特に韓国のトップエリートの英語力は高く、その多くはアメリカなどの有名大学に留学しているとも言われています。

そんな背景もあり、先般、韓国の英語教育の実情を調査するためにソウルを訪れました。ソウルでは、いくつかの学習塾・英語村それに公立小学校を視察しました。

限られた時間ではありましたが、一言で表現すれば英語教育においては日本の遥か先に行っていることを実感しました。ある学習塾では、年少から幼稚園として子どもを預かり、「英語で発想できる」人間を育てています。小2のサブテキストは英英辞典であり、内容的には日本の中3の教科書より高度なものでした。学校の英語は上手くいっていないと言われていますが、視察した小学校では、どの教室も韓国人教師がハングル語を全く使わないで英語だけで授業が進められていました。英語村では小5の1週間分の教材として、分厚くギッシリ英文が印刷されたテキストを見せられました。

韓国では塾でも学校でも、日本の文法中心とは異なり、敢えて言えば英会話教室のような授業が進められていました。文科省の取り組みを見ていますと、遅くても2020年からこのような授業が日本でも取り入れられるのは間違いないと思います。その時に障害となるのは、教師の資質であるのも間違いないと思います。

英語教育の「そもそもの目的は何か」という本質論は大切だと思います。英語は教養として学ぶものであり、読み書きを中心にすべきだという指摘は昔からあります。ただ、このような議論とは別に、既に「使える英語」への舵切りはされたというのが実情です。

これらを踏まえ、伸栄学習会では、小学生を対象にした実践的な英語教育の準備を進めています。韓国に負けない英語教育を実践したいと考えています。

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