2011年11月号……『誤答処理』 塾長/青沼 隆

子どもが勉強を進める上で、欠かすことのできないアイテムが問題集です。問題集はある意味で教科書より重要です。教科書をいくらていねいに読んでも、テストの得点にはあまりつながりません。しかし問題演習をキチンと行えば、テストで大きな成果を残せます。学校でも、主要教科については「ワーク」が配られます。定期テストではこれらのワークから問題が出題されることも珍しくありません。

さて、この問題集、上手く使えば大きな成果が上がりますが、上手く使えなければ大した結果が残せません。問題集をどう使うかは、テストの成績に直結します。ただ、多くの子どもたちは問題集の使い方が下手です。その原因の1つが、学校では国語や理科は習いますが、問題集の使い方は習っていないことにあるように思えます。

問題集の使い方で最も大切なのは、間違えた問題への対処です。そもそもテストの点数が上がるということは、これまでできなかった問題ができるようになること、と言い換えることができます。つまり、「誤答処理」が問題演習のポイントであり、勉強のポイントとも言えます。

案外、気付かれていないことですが、30年近く塾の講師を行ってきて経験的に言えることが1つあります。それは、「誤答処理」を確実に行うことのできる生徒は、ほぼ100%、学年のトップクラスになっているということです。

さて、正しい「誤答処理」方法とは、“誤答を正答に至るまでやり直す”ことです。こう言うとすぐに誰でもできそうですが、これが思ったほど簡単ではありません。

まず、誤答を正答にするには、誤答にマークが必要になります。伸栄学習会では、1回目の誤答に「/」、2回目の誤答には「×」と線を増やすように指導しています。線の数が多い問題が何度も誤答した問題、つまり苦手な問題として一目瞭然となります。試験前には、この問題を集中的に取り組めばよいとなります。

誤答のやり直しは、24時間経過後に行ことも重要です。誤答直後にやり直しをするのは必要です。ただし、この段階では、答えややり方を丸暗記していて本当にできたかどうか分かりません。ですから、24時間経過後に改めてやり直しをして、そこでできれば正答、というルールを明確にしておく必要があります。

もう1つ誤答処理を困難にしていることがあります。それは、一度手をつけた問題、しかも間違えた問題は、「やりたくない」という心理が働くことです。はじめて見る問題は、それなりに解く楽しさがあります。しかし、二度目・三度目となると、そのワクワク感はありません。しかも、間違えたイヤな問題です。「やりたい」という気持ちはふつう起こりません。

やり直しを命じると、「もうわかったから必要ない」と言う子もいます。そこまでいかないまでも、完全に正答できていない段階で投げ出してしまう子どももいます。いずれにしても、誤答を徹底的に追い込んで、自分のものにするまでやり直す子どもは少数派です。もし、誤答処理が完璧なら、テストでできなかった問題は、自分の持っている問題集に全く出てこなかった問題だけ、となるはずです。

結局、誤答処理とは、最終的には自分との戦いになります。何事も「詰め」の段階では大きなエネルギーが必要になります。勉強も全く同じです。私たち教師は、子どもの残した問題集やノートによって、あらかたの見当をつけることはできます。しかし、1つ1つの誤答処理が完全であったかどうかは、当の子どもしかわかりません。

「誤答処理」には、多少の技術や知識が必要です。しかし、最終的には忍耐力が試されていると感じています。

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