2017年6月号……『英語の学び方』 塾長/青沼 隆

英語と数学は塾で指導している中心教科ですが、その学び方はかなり違います。

学校で学ぶ数学強固な理屈で成り立っており曖昧さがありません。ですから、基礎がとても大切であり、順を追って学ばないとやがてどこかでわからなくなるときが必ず来ます。それに対して英語は答えが1つとは限らず、多様な表現が可能です。わからない単語や表現があっても、推測である程度まで解析することができます。ですから、数学と違って多様な学び方があります。そもそも、英語は「学び」というより「慣れ」の要素が大きい教科です。

それに、最近は学校英語でコミュニケーションが重視され、昔とくらべて文法の比重は低下しました。正確さが多少損なわれていても、自分の考えなどを表現できることが評価される傾向にあります。しかし、この結果としてかえって英語嫌いの子どもを増やしてしまったように思います。

ひと昔前まで英語嫌いの子どもに共通していたのが、「三単現がわからない」でした。主語が”he”や”she”になったとき動詞に”s”がつくことがわからない、あるいはしばしば忘れてしまう、というのがその特徴でした。しかし、今は、三単現どころではありません。be動詞と一般動詞の区別がつかない、あるいは、区別があること自体を認識していない子どもが珍しくありません。「Are you go to school ?」と書かれていても違和感のない子どもがたくさんいます。

先ほども書きましたとおり英語の学び方は多様です。ですから、こうしなければならない、というものはありません。ご家庭によっては、幼少時より独自の方法で語学教育を子どもに施しているケースもあると思います。コミュニケーション主体の英語で、文法をほとんど教えずに成果を上げている私学もたくさんあります。しかし、多くの子どもにとって英語は、日常に縁のない言葉です。このような子どもにとっては、できれば英語では苦労したくないというのが本音ではないかと思います。

何かを学んだり習得しようとしたりするときに、漠然としているより、「核」になる部分があり、その核を中心に周囲に関連知識を貼り付けていった方が、学びやすく効率的です。英語も同様です。とりわけ、英語の苦手な子どもは核となる部分が見えていないケースが大半です。自分の何が不足しているかがわからず、従って、何をやっていいのかわからない状態にいます。英語も言語である以上、言葉のルールがあります。その核となる部分は動詞の文法にあります。

英語の苦手な子は単語も知りません。ですから、教科書の英文にはわからない単語がたくさん並んでいます。しかし、単語を覚えようにも、その言葉のルールもわからないので途方に暮れています。単語の暗記にはそれなりの時間が必要です。しかし、文法の習得はさほど時間がかかりません。ですから、英語の嫌いの子どもには、まず、基礎となる文法(とりわけbe動詞と一般動詞の識別)を教えることにしています。これがわかれば、単語の意味がわからなくても、英文を解析することができるようになります。そうすれば、単語を覚える意義もわかるようになります。

現在、学校の英語では文法が軽視されています。でも、英語の初学者や英語嫌いの子どもには好ましくない傾向だと感じています。特に、中1の生徒はこれから英語の勉強が本格化します。まずは、文法を大切にして欲しいと思っています。

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