2002年4月号……『特色化選抜』 塾長/青沼 隆

高校入試制度がめまぐるしく変わっています。この欄でも、最近、何度かこの問題を取り上げましたが、今回も同じテーマになってしまいました。高校受験に関係のないお子さまをお持ちの方には、「またか」と思われるかもしれませんがお許し下さい。

すでに、新聞発表されました通り、来年度の公立高校入試から「推薦入試」が廃止され、自己推薦による「特色化選抜」が導入されます。これまでの「推薦入試」は学校長の承認(推薦)が必要で、これがなければ試験そのものが受けられませんでした。中3時代の成績、遅刻・欠席、素行などで問題があると判断された生徒は、いくら受けたくても受験そのものが認められませんでした。当学習会に通う生徒にも、受ければ合格できそうなのに、遅刻などの理由で受験できなかった生徒も実際にいました。これが、一般入試と同じように誰でも受験可能になったわけです。

募集枠も従来の40%から50%に拡大されました。例えば、240名募集する高校は、この「特色化選抜」で120名を選抜します。この結果、「一般入試」の枠が従来の60%から50%に削減されることになります。従来の公立高校の入試では、一般入試がメインで推薦入試はサブという考え方でしたが、数字の上でも両者は対等になったわけです。「特色化選抜」を一次試験、「一般入試」を二次試験と考えても良いかと思います。
これまでの「推薦入試」では、面接と作文(小論文)だけで学科試験は課せられませんでした。しかし、「特色化選抜」では教科の試験が可能になりました。現時点では詳細はわかりませんが、特に上位校では難問を出題するのではないかと噂されています。何れにしても各高校が独自に作問して、バラエティに富んだ入試になると予想されています。

一番の問題は、合否の基準です。これまでの「推薦入試」では作文や面接があったものの、形式的に行われるだけで、実際には、内申書に記載された「成績」(中学3年の1・2学期分)で合否が決まっていました。新しい「特色化選抜」では実のところどうなるのかわかりません。大変怪しからんことだと思いますが、来年度の入試では、試験後に、その合否基準が明らかにされることになっています。試験の前に明示すのが「当たり前」だと思うのですが、なぜか、来年度の入試ではそうはなっていません。再来年の入試(現中2の入試)からは、事前に、合否基準を公表することになっていますが、来年度の入試は相当混乱するだろうと思います。ただ、中学の成績評価が従来の「相対評価」から「絶対評価」に変わり、評価そのものの客観性が失われることもありますので、これまでの「推薦入試」のように中学の成績だけで合否が決まることにはならないのではないかと思います。もちろん、フタを開けてみなければわかりませんが、内申書の成績と入試得点の合計で合否が決まるようになると考えた方が無難かと思います。

以上の通り、この制度変更により、公立高校の入試では「2回の学科試験」が行われることになります。これまでにように、学科試験を避けて「推薦」で高校に入学するというルートは失われました。その意味では、多くのご両親さまが経験された昔の入試制度に戻ったとも言えます。昔の入試は、学校の勉強はもちろんのこと、それにプラスして、入試のための勉強が求められました。この入試に戻ったわけです。その意味では、中3生はもちろん、中1・中2の皆さんも、模擬テストで自分の実力(いわゆる偏差値)を正確を把握していくことが求められるようになりました。

模擬テストは、進学研究会などのテスト業者が、東京学館浦安高校などの会場を借りて実施しています。これらの会場テストを受けるのも一方です。また、当学習会でも、中3は4月から毎月、中1・中2は6月から年4回、模擬テストを行います。どちらを受験しても結構です。是非、テストを受けて自分の実力を把握することをお勧めします。

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