2002年12月号……『新しいタイプの学力不振』 塾長/青沼 隆

子どもたちが年毎にどんどん変化しています。残念なことに、勉強だけに限っていうならば、その変化は悪い方向に向かっています。10年ほど前に分数計算がまったくできない中学3年に出会ってびっくりしましたが、今はこんなことでは驚かなくなりました。わり算ができなかったり、あるいは、九九があやしい中学生も珍しくなくなったからです。近い将来、たし算やひき算ができない子どもが出てくるかもしれません。しかし、最近は勉強ができないと言う事実より、その背景にあるものが気になるようになりました。
例えば、自分で答えあわせができない子どもがいます。解答とは明らかに違う答えを書いているのに平気でマルをつけてしまうケースです。たまたまミスするのではなくしばしばミスをします。中には、どんなでたらめな答えを書いても、すべてにマルをつけて平然としている子どももいます。何回も何回も注意する過程で、だんだん答えあわせができるようになります。しかし、この改善には時間がものすごくかかります。しかも、この間は本来の教科指導はなかなか進みません。

集中力が不十分な子どももいます。勉強をはじめて10分程たつと他のことをやり出だしてしまいます。一見まじめにやっているように見えても、ぜんぜん別のことをやっています。注意すると、「もう終わった」「わからないからわかるところをやっている」「勉強しているからいいじゃないか」……等などの言い訳もします。すぐに飽きてしまい、1つのことに集中できないようです。

勉強の準備にものすごく時間がかかる子どももいます。塾に来て、ミニテストの準備をするのに10分以上かかってしまいます。あるいは、手順を無視する子どももいます。「ミニテスト→その答え合わせ→宿題の答え合わせ→教師への報告」という順番で進みますが、いつまでたってもそれを守ろうとせず、自分勝手に進めてしまいます。

間違い直しは多くの子どもにとって重要な課題です。その場で間違いを直しておしまいにしてしまう子どもが多数います。中には、正答を写すだけの子どももいます。間違いは、その場でやり直すのはもちろん、さらにもう1日経ってからやり直しをしないと定着しません。実行には自己管理が必要で、教師も含めて他人のチェックには限界があります。

以上は勉強が「わかる」とか「わからない」という問題とは次元を異にします。しかし、これらが勉強を阻害する重要な要素になってきているのを感じます。子どもによって程度問題はありますが、改善には時間と根気と忍耐力が必要です。その間、成績が上がらないで子どもは苦慮します。もちろんご両親様も私たちも同じです。この傾向の著しい子どもは、毎回、同じことを注意されます。あまり愉快ではないと思います。中には塾を去ってしまう子どももいます。残念であるのと同時に難しい問題に直面しているのを痛感します。

いずれにしても、この問題は放置できません。ふだんの授業では、進度に追われて妥協せざるを得ない場面もあります。そこで、この冬期講習では「勉強のやり方を学ぶ講座」を開講することにしました。問題意識をお持ちのご両親様におかれましては、ご受講を検討ください。

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