2006年5月号……『教科書』 塾長/青沼 隆

この春から中学校の教科書が全面的に改定されました。4年に1度の“恒例行事”です。数学や理科や社会はさほど大きな影響はありませんが、国語や英語は教科書の中身(作品)が変わってしまいます。特に、英語は収録されている英文がすべて変わります。ですから、全面的な見直しが必要になります。

あまり知られていないと思いますが、教科書の販売にはさまざまな規制が加えられています。その1つが販売時期です。学校やごく一部の関係者(教材会社など)以外は、4月中旬以降にならないと教科書の入手はできません。もちろん、塾もその例外ではありません。ですから、建前上、塾が教科書を手にすることができるのは4月中旬以降になります。

ただ、もちろん、これでは遅すぎます。中学では4月から新しい教科書を使った授業が始まります。塾の授業では学校の予習も必要です。従って、いろいろな方策を講じて、それより早く教科書を入手する必要に迫られます。どのような政策に基づいてこんな規制があるのか知りませんが、今回も矛盾を感じつつ教科書を回してもらいました。

教科書は1年かけて1冊をすべて終えることになっています。従って、例えば、4つの単元があるとすると、1単元目は5月までに、2単元目は9月までに終えるという具合に「標準カリキュラム」が作られています。学校の先生は、その「標準カリキュラム」を目安に授業を組み立てて進めていきます。

「標準カリキュラム」は各単元の終了時期とともに、その単元を終えるのに必要な授業時間数も示されています。学校の授業は1年間フルに行われるわけではありません。遠足や修学旅行、体躯祭などの学校行事があります。体育祭の準備のために1週間、授業をやらない中学も珍しくありません。春休み、夏休み、冬休みもあります。これらの「授業お休み」期間を考慮して、1年間52週のうち、30週で1年間の勉強が終わるようにカリキュラムが作られています。

ですから、学校は、1年の約半分の30週しか授業が行わない前提で運営されているわけです。もし、ある子どもが1年間フルに勉強すれば、特別なことをしなくても、学校の2倍を勉強を進めることができるわけです。

さて、4月が終わり5月になりました。学校の授業の進み具合を子どもたちに聞きますと、「標準カリキュラム」より大幅に遅れている中学が大半のようです。ということは、1年の帳尻を合わせるために、どこかで学校の授業はスピードアップをしなければなりません。ある時期に、ある単元が“あっ”という間に終わってしまう可能性もあるわけです。

塾では、「標準カリキュラム」より早く、最悪でもこのスピードに従って授業を進めることにしています。ただ、学校の授業が遅れているので、「スピードが速すぎる」と苦情を言う子どももいます。

3学期制の中学では、5月下旬から中間試験が始まるところもあります。できれば、試験対策として1ヶ月を確保したいと考えています。そのためには、「標準カリキュラム」の1ヶ月先を進めなければなりません。成績向上は万全の試験対策なしには考えられません。試験対策には時間が必要です。その時間を捻出するために、日頃から学校の授業の先を進めなければなりません。

塾の授業をスピーディに進めるには、宿題をキチンとやること(宿題をやらないと塾の授業が宿題に使われ先に進めなくなる)、それに、春休みや夏休みなども勉強を進めることが大切です。家庭学習はやはりとても大切です。

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