2011年7月号……『成績』 塾長/青沼 隆

ある中堅私立大学の方から興味深い話を聞かせていただきました。

それによると、大学の成績と就職力に大きな相関があり、5段階評定で3.5が境界線になっているとのことでした。同大学の平均評定が3.5を少し下回るとのことですので、平均値を取れているどうかで就職力に差が出る、ということになります。

多くの企業は、学生に対して大学の成績証明書の提出を求めています。企業がこれをどう判断しているかよくわかりません。ただ、成績を求めている以上、採用に何らかの関係がありそうです。その意味では、成績と就職は相関があると言われれば、その通りかもしれません。

しかし、それはそれとして、一定数値の成績が、就職力に影響があるという事実は知りませんでした。というのは、これまで大学の成績をあまり信用してこなかったのも一因です。大学の授業選択では甘い授業が選ばれがちです。試験は実力だけではなく要領がものを言うことがよくあるからです。

ただ、改めてこの事実を考え直すと、3.5という数値には大きな意味が隠されているように思えます。大学の成績が仮にあまり信用できないとしても、やはり、ある一定の努力をしないとこの成績を取ることはできません。一定の努力をするという真面目さは、大きな意味を持っている可能性があります。

授業にも試験にもある種の真面目さをもった学生は、就職活動も真面目にやりそうです。反対に授業や試験をいい加減にやってきた学生が、いきなり就職の場面でキチンと対応する可能性は高くなさそうです。

同大学の話では、指定校推薦で入学した学生は学業成績も良く、就職にも強いとのことです。指定校推薦とは、大学の指定した高校から、成績の良い生徒を実質無試験で入学させる制度です。高校時代に成績良かった生徒が、指定校推薦の対象となります。

この話を単純化すると、高校時代に成績の良い子は大学でも成績が良く、その学生は就職にも強いということになります。そうなると、将来を見据えたときに、成績は別な意味を持ってきます。多くの子ども、例えば中学生は、高校受験を目標に勉強しています。しかし、それが単に高校受験に留まらず、大学受験そして、その先の就職につながっているということになります。

真面目さ、とりわけ学校の授業に対する真面目さは、単に「成績」に留まらず、その子どもの将来に大きな影響を及ぼすことになります。たかが成績、されどこの意味は案外大きいように思えます。

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