2005年10月号……「家庭学習』 塾長/青沼 隆

定期試験のシーズン到来です。もう、終わってしまった学校、これからの学校、塾にとっては期待と失望のヒヤヒヤの毎日です。成績には上がり下がりがあります。でも、少し長い目で見れば、案外正直なものです。確かに、ときどき、「アレッ」という意外な結果を持ってくる生徒もいますが、だいたいの場合、「やはりそうだな」という結果に落ち着きます。
今さら当たり前のことですが、成績は「学習量」に比例します。勉強をたくさんした子どもの成績は上がりますが、勉強しない子の成績は上がりません(それどころか下がります)。もちろん、「学習量」というと、「学習の質はどうなんだ」、とおっしゃる方もいるかと思います。もちろん、「学習の質」も大切です。でも、少なくても当学習会においては、経験上、「質」のことを云々する以前に、「量」でほとんどの場合、説明がついてしまいます。
よくご両親さまから、「ウチの子は塾でしっかりやっているでしょうか。」というご質問を受けます。特別な場合を除いて、塾での勉強がいい加減な子どもはいません。ですから、「キチンとやっていますよ。」と答えます。すると、ホッとされます。しかし、安心はできません。なぜなら、この中に成績の上がる子もいれば、そうではない子もいるからです。
なぜ、塾に通っているにもかかわらず、成績の上がる子どももいれば、そうではない子どものいるのでしょうか。理由は簡単です。人間は「忘れる動物」だからです。下のグラフをご覧下さい。反比例のグラフに似ていますが、これは、ドイツの心理学者、エビングハウスの忘却曲線と呼ばれるものです。人間は覚えたことを、時間とともに忘れていきます。そのスピードは一般に考えられるよりかなり速いものです。
例えば、百個の単語を覚えた場合、1時間後、1日後、1週間後、1ヶ月後に、その単語をいくつ覚えているでしょうか。エビングハウスによれば、1時間後には56%を、1日後には74%を、1週間後には77%を忘却してしまうそうです。
当学習会では、多くの子どもが、1週間に1教科(例えば英語)を受講しています。ですから、もし、この子が自宅でまったく勉強しないとしたら、次に塾に来る1週間後にはその77%を忘れている(逆いえば23%しか覚えていない)ということになります。いくら、塾で一生懸命勉強しても、これでは、勉強が積み上がっていくわけがありません。23%しか覚えない勉強をくり返しても、知識が蓄積しないからです。従って、成績が向上しないのは「当たり前」です。
当学習会では、宿題を出しています。それは、せめて、家庭でも週に1回はその教科の勉強を欲しいからです。先ほ申し上げました「学習量」とはこのことです。できれば、週2回で、最低でも週1回、家庭で勉強をすれば学習効果は飛躍的に向上します。成績とは、この積み重ねに他なりません。
定期テストの結果、宿題をしっかりやっている子どもは成果を上げています。あるいは、塾に来て、その自習をしている子ども、そして、週2回以上、塾で受講している子どもがも成果を上げます。
成績は「学習量」に比例します。「学習の質」や、まして「子どもの能力」を考えるのはその次です。まず、「量」の確保を図りましょう!

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