2008年5月号……『学力重視』 塾長/青沼 隆

県立高校の入試制度が現中学1年生の受験から大きく変わりそうです。現在の特色化選抜と一般受験(学力検査)がなくなり、その代わりに前期選抜と後期選抜が導入される見通しです。内容を一言で表現すれば、「学力試験のウエイトが高まる」ことになります。

現在の特色化選抜は平成15年度から実施され、この春の入試を含め6回行われました。この制度は、「一人ひとりの子どもには個性があり、それに応じた入試を行う」という目的で導入されました。各高校はこの趣旨に添ってさまざまな工夫を行うことになっています。ただ、現実的には、作文・小論文・面接・スポーツテスト・自己表現、それに独自問題(ペーパーテスト)の中から組み合わせて行われています。

独自問題を課す高校は増えつつあります。しかし、それでも、公立高校の合計135校のうち53校(40%)に留まっていて、残りの60%の高校は、特色化選抜では学力試験を行っていません。

入試制度が改訂される背景の1つは「学力低下」にあります。すでに、文科省も学習指導要領を改訂して「ゆとりの脱却」に動いています。県立高校の入試制度変更もこの延長線にあると考えてよいと思います。

この改訂によると、すべての公立高校受験生に学力試験が課せられることになります。現行の高校入試では、特色化選抜の60%、それに私立の推薦入試で進学した子どもたちの大部分には学力試験が課せられておりません。統計資料がないので正確な数値はわかりませんが、恐らく、中学生の半数弱が学力試験を受けないで高校に進学していることになります。

「ゆとり教育」の中で、学力軽視が続いてきました。しかし、流れは大きく変わります。「高校進学には勉強が必要」になります。時代が変わりつつあることを、子どもも、保護者も、そして私たち塾も再認識する必要がありそうです。

<公立高校の入試制度改定案>
前期選抜
実施時期 2月中旬(2日間)
選抜枠 募集定員の普通科は10~60%、専門学科は50~80%
検査内容 1日目5教科学力検査(必須)
2日目面接・作文・適性検査・学校独自問題から1つ以上を各高校が選択して実施 ▼

 

後期選抜
実施時期 3月中旬(1日)
選抜枠 募集定員から前期選抜の合格者を引いた数
検査内容 学力検査(5教科の中から3教科以上を各高校が選択して実施)
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