2003年9月号……『大学入試はやさしくなっているか』 塾長/青沼 隆

私立学校の入試説明会などでは、よく「国公立大学」や「早慶上智」の合格率が語られます。また、週刊誌などでも、華々しい合格実績のランキングが紹介されます。しかし、現実的にはTOP校と言えども、全員が現役でいわゆる有名大学に進学しているわけではありません。最近は、少子化のため大学入試はやさしくなったといわれますが、果たしてこれは本当なのか、先般、安田教育研究所が興味深いレポートを発表しましたので、これを紹介します。
このレポートでは、私立中堅大学といわれる「MARCH(明治・青山・立教・中央・法政)」と「日東駒専(日大・東洋・駒沢・専修)」が、高校生の視点で見たときにどのくらい合格しやすいのか(あるいはしづらいのか)を分析しています。ちなみに、大手予備校の偏差値では、「早慶上智」が65程度、「MARCH」が55~60、「日東駒専」が50~55程度となっていて、「早慶上智」がトップグループ、「MARCH」が2番手グループ、「日東駒専」が3番手グループを形成していると図式化されています。

まず、「MARCH」の代表として、明治大学の合格状況を見ますと次のことが言えます。
①出身高校別の合格率(受験者に対する合格者の割合)を見ると、国立筑波大駒場高校   が65%となっているのが例外で、他はすべて、50%を割っている。
②開成高校が29%、麻布高校が22%、桜蔭高校が44%に留まっていて、これらのいわ   ゆる御三家の高校生と言えども、明治大学にはなかなか合格できないのが現実。TO   P校では、東大をはじめとする国公立のことがよく話題になるが、現実的にはMARCH   クラスでもなかなか難しいのが現実。
③千葉県の高校は表-1の通りで、やはりかなり厳しい実情が読みとれる。また、この表   以外の高校からは、なかなか明治に合格できない厳しい現実が伺える。

●表-1 明治大学への合格率(千葉県)

中高一貫校 私立高校 県立高校
校 名 合格率
(%)
校 名 合格率
(%)
校 名 合格率
(%)
国府台女子 32.5 芝浦工大柏 26.4 県立千葉 34.4
渋谷幕張 31.4 日大習志野 21.5 東葛飾 33.5
東海大浦安 23.5 専修大松戸 18.1 27.0
東邦大東邦 23.0 市原中央 9.9 船橋 26.5
昭和秀英 22.0 薬園台 24.1
市川 17.2 佐倉 23.9
成田 11.4 鎌ヶ谷 23.7
八千代松陰 8.5 千葉東 22.4
津田沼 20.9

次に「日東駒専」の代表として、日本大学の合格率を見ると次の通りと言えます。
①いわゆる御三家からの受験者が少なくなっている一方、公立高校(都立・県立)の受験者  が増えている。ただし、合格率が50%を越えている高校は皆無で、受験生の視点から見  ると日本大学も「なかなか合格できない大学」であることが読みとれる。
②全般的に私立高校より公立高校の方が合格率が高くなっている。千葉県の様子は表-2  の通りだが、東京でも、都立大泉=52%、国立=46%(以下30%後半~40%の高校  が続く)に対して、私立では、海城=31%、城北=36%くらいに留まっている。
③表-2の通り、高校入試時点の偏差値が60~65くらいの高校であっても、日本大学の   合格率はせいぜい3割台に留まっている。この表を見る限り、「大学入試がやさしくなって  いる」という姿は全く見えてこない。

●表-2 日本大学への合格率(千葉県)

中高一貫校 私立高校 県立高校
校 名 合格率
(%)
校 名 合格率
(%)
校 名 合格率
(%)
渋谷幕張 46.7 芝浦工大柏 40.0 東葛飾 55.6
昭和秀英 38.0 専修大松戸 33.6 千葉東 50.0
東邦大東邦 32.8 市原中央 18.8 船橋 49.5
市川 28.1 千葉敬愛 18.4 佐倉 41.5
成田 23.7 流通経済大柏 16.9 八千代 39.3
八千代松陰 22.7 薬園台 39.1
日出学園 21.2 37.4
秀明大八千代 12.5 千葉 37.1
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