2010年夏-1号……『大学入試のもう1つの側面』 塾長/青沼 隆

伸栄学習会に通う子どもたちにとって、大学進学は大きな目標だと思います。ただ、現在、小中学生の人にとって、大学入試といっても今ひとつピンとこないのではないかと思います。目の前の中学受験や高校受験に、関心の多くが注がれていることと思います。しかし、最終学歴は大学もしくは大学院です。従って、中学受験や高校受験はある意味で、途中経過の1つに過ぎません。

さて、その大学入試についてですが、案外、お気づきでないところで、この10年間で様変わりしています。下表は安田教育研究所がまとめた、有名大学の合格者数の推移です。

【有名大学の合格者推移 2000年⇒2010年 】

大学名  2000年    2010年 割合
東京大 3,274名 3,109名 95,0%
一橋大 1,037名 957名 92.3%
東工大 1,152名 1,112名 96.5%
慶応大 9,933名 10,253名 103.2%
上智大 4,752名 4,557名 95.9%
東京理科大 12,030名 14,983名 124.5%
明治大 12,173名 21,024名 172.7 %
青山学院大 8,191名 8,737名 106.7%
立教大 5,049名 9,100名 180.2%
中央大 7,110名 7,787名 109.5%
法政大 11,261名 15,825名 140.5%
18歳人口 152万人 121万人 79.6%

表をご覧いただきますと、10年間で国公立大学の合格者減少傾向にあるのがわかります。国公立大学は大学院の創設で大学(学部)の募集人員を縮小、その結果、合格者数も減少しています。一方、MARCHの各大学は学部の増設や改組で募集人員が増加、合格者数も増加しています。

しかも、この間、高校3年生の人数(18歳人口)は152万人から121万人へと20%も減少しているます。つまり、国公立大学の合格者数が減少しているとは言え、一方で高校3年生の人口もそれ以上減少しているので、この10年間で実質的には「広き門」になっているのが数値の上で伺えます。まして、MARCHについては、10年前とは比較できないほど「入りやすく」なっていると言えます。

もちろん、入りやすくなったとはいえ、これらの有名大学に誰でも入れるようになったわけではありません。受験生個々人にとっては、熾烈な競争に勝ち残らなければ、合格切符を手に入れることはできません。ただ、そうは言いつつも、状況が大きく変化していることは間違えありません。一昔前までの常識が、今では常識でなくなっているのも事実です。

一昔前までは、「少しでも高い偏差値の中学や高校に進学するのが有利」というのが常識でした。しかし、今ではこの常識は必ずしも通用しません。合格者が増えたのと同時に、大学入試が多様化しました。上記大学のうち、AO入試や推薦入試を全く行っていないのは東京大学だけです。残りの大学は、すべて、何らかの方法でAO入試や推薦入試を行っています。

これらの入試では、高校3年間の成績や活動が大きな意味を持ちます。偏差値の高い高校に進学すれば、当然、学校内で上位の成績を取るのが難しくなります。つまり、AO入試や推薦入試では、レベルの高い高校は、それ自体が不利な要素となります。

多くの保護者の方は、偏差値の高い学校がわが子にとって「よい学校」と考えがちです。しかし、現在ではその常識は必ずしも正しくありません。今後、大学進学では、中学や高校に進学する段階での「情報」が、わが子の進路に大きな影響を与えるようになります。その意味でも、常識は大きく変わっています。

伸栄学習会では、今後とも、「偏差値」という基準だけにとらわれない進学情報を提供していきたいと考えています。進学などでご相談がありましたら、いつでもご連絡下さい。

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