2001年夏号……『塾のような学校』 塾長/青沼 隆

JR木更津駅から車で20分くらいのところに、暁星国際中学高校という私立学校があります。その敷地(なかり広い敷地なのですが)の中に、本年4月、「ヨハネ研究の森コース」という新しい学校が誕生しました。経営母体は同じ暁星国際学園ですが、同校とは全く別に運営されていて、極めてユニークな教育が展開されています。先日、この学校を見学する機会があり、私自身、いろいろな面で衝撃を受けました。同校の運営方法を箇条書きにすると次のようになります。

・授業は小学生から高校生まで同じ教室で一緒に行われる。(現在、11名の生徒  が在籍)
・寮生活が原則。ただし、小学生の2名が通学している。
・教室の広さは50坪くらいありとても広い。いわゆる学校の教室のレイアウトではなく、広い空間の中に生徒が自由に自分の机を置いている。広い空間に机が向きもバラバラにポツンポツンと置かれている感じ。
・木曜日が休みで週6日制。先生は毎日替わる。従って、月曜日は○○先生、火曜日は△△先生というふうに日替わりで担当する。担当の先生は前日から来て1泊して授業後に帰る。先生は、いわゆる学校の先生ではなく、現職の塾の教師、IT関連の企業の社長、教材会社の社長などで構成されている。(教頭は常勤で1名別にいる)
・1授業(1コマ)は90分。1日4コマの授業がある。ただし、一斉授業ではなく個別指導で進められる。4コマのうち3コマの授業は、自分でプリントを解いてわからないところを先生に質問するという形式。「自習」と称されている。科目も一応決められているが生徒の自由意志が尊重される。(中学1年生は英語を主体に進めている)
・残りの1コマの授業は、担当の先生の得意分野の自由研究を行う。例えば、食品添加物、ホームページ作り、アメリカの南北戦争など、生徒が自由にテーマを決めてインターネット、図鑑、図書などを使って調べてレポートにまとめる。

この教室には、いわゆる伝統的な「学校」の雰囲気は全くありません。同校の手紙に「<学校>のど真ん中にある<私塾>そのものの空間です」という一節がありましたがその通りだと感じました。また、同校の責任者は「自分でものを考えられる人間、自ら学ぶ子ども育てることを追求したらこの形になった」と説明していました。理解できるような気がしました。来年度より、この「ヨハネ研究の森コース」では本格的な新入生の募集を行うそうです。もちろん、今後、この学校の運営が成功し、発展していくのかどうか私にはわかりません。ただ、少なくても文部科学省の正式な認可を受けた私立学校が、このようなユニークな教育を行っていることに驚きを感じました。
前回の「お知らせ」でも書きましたが、もう「学校」だの「塾」だの枠組みをどうこういう時代は終わろうとしているような気がします。これからは、枠組みではなく、教育の中身が厳しく問われるようになると思います。もちろん、私たち伸栄スフィンクスも、現状に甘んずることなく、よりよい教育のために革新し続けたいと考えます。

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