2015年2月号……『勉強不足』 塾長/青沼 隆

人間は完璧に作られていません。悲しいことに、わかっていてもミスを犯します。受験シーズンたけなわ。「一点でも多く得点したい」と誰でも思います。でも、残念なことに、実力を100%発揮できるケースはほとんどありません。後からふり返って、なぜこんなミスをしたのか………と多くの子どもは悔やみます。もちろん、これは、入試に限らず、定期試験でも小テストでも同じです。

長年、塾の講師をしてきて、ミスをなくすことはできないが、最小限に抑えることはできる、と思っています。子どもたちはミスをします。しかし、ミスを頻発する子もいますし、滅多にしない子もします。この両者をくらべると、やはり基礎学力の差が見られます。ミスしがちな子の学力は低く、しない子は高いというのが現実です。つまり、ミスと学力とは相関があるということです。

子どもは「勉強はわかれば楽しい」とよく言います。ただ、講師である私はそうは思いません。勉強で「わかる」はそんなに重要なことだと思わないからです。「わからない」を「わかる」にするのはさほど難しいことではありません。ほとんど場合、教えれば「わかる」ようになります。内容によりますが、時間もそんなにかかりません。しかし、テストで得点を取らせるのは簡単ではありません。わかっていても、わかっている内容が試験用紙に反映する(「できる」)とは限らないからです。「わかる」と「できる」には大きな距離があります。その距離はなかなか、子どもたちに理解されないのが実情です。

「わかる」を「できる」にするには、習熟しか方法はありません。これは教えてできることではありません。自分で問題演習をくり返し、自分なりに実感を持ってもらうしかありません。そして、この演習のくり返しの中で、ミスはなくなります。ミスをするのは、詰まるところ「演習不足」、もっといえば、「勉強不足」が原因です。

演習のくり返しはそんなに楽しいものではありません。少なくても、「わからない」が「わかる」になるときのような心の刺激や躍動感はありません。だから、多くの子どもは、演習を避けがちです。中には「もうわかっているんだから、演習なんか必要ない」と豪語する子どもまでいます。しかし、演習をしない限り習熟しないし、スピードも上がらない、また、ミスもなくならず、もちろん成績が上がることはありません。

テストが返されたときに、「あっ、つまらないミスをしちゃった。次からもっと気をつけよう。(心の中では運が悪かったと思っている)」と言うようでは、問題の解決に至りません。恐らく、次のテストでも同じことをくり返すことでしょう。ミスはコワイものです。なぜなら、ミスの原因は「勉強不足」だからです。運の悪さのせいにしないで、まず努力不足に思いをめぐらせて欲しいと願っています。

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