2018年6月号……『「ここまでやるぞ!」の夏休み』   講師/山内  雄司

夏休みは子どもにとって実に貴重な機会です。小学校に入学してから、ほぼ毎日決まった時間に通学し、夕方に帰宅する。そうした日々からすると、夏休みは非日常の体験とも言えます。また、郊外に行けば植物は生き生きと茂り昆虫が闊歩する。入道雲、突然の夕立、川のせせらぎ、砂浜から聞こえる波の音……。そういったひとつひとつが子どもの内なる世界を豊かに形成していく様子がまるで目に見えるようです。今年の夏休み、子どもたちがどのような体験をしてくるのか、聞かせてもらうのが今から楽しみで仕方ありません。

夏休みの「子どもの成長」に関しては、もうひとつ重要な要素があります。それは「計画」です。「計画」というと堅苦しく思われるかもしれません。しかし、逆に言えば、計画の無い長期の休みほど虚しいものはありません。無計画に時間が過ぎるのを待つような毎日は、せっかくの夏休みを台無しにしてしまいます。

「夏休みぐらい無計画に、好き勝手なことをしていたい!」という子どももいます。私も何度となく聞いてきたセリフです。保護者の方にも、「夏休みぐらいのんびりさせてあげたいな」という思いから、そういう子どもの「願い」を聞き入れる方もいらっしゃるかも知れません。もちろん私は各ご家庭の方針に口を挟むつもりはありません。しかし、どうしてもこう考えてしまうのです。「『無計画でもできる好きなこと』ってどの程度のことなんだろう?」

夏休みに毎日かなりの時間を割いて、コツコツと小説を書き、見事受賞につなげる子もいます。毎日ジムに通い、9月までにバク宙ができるようになる子もいます。もちろん、入試に向けて毎日かなりの時間を勉強に向ける子もいます。そういう子は「夏休みが終わるまでにはここまでマスターする!」という強い意志と計画性を持って臨んでいます。夏には私たちも夏期講習を開催し、子どもたちの学習体系の中でかなり重要度が高いものと位置づけております。夏休みぐらいの期間があれば、しっかりとした計画と実行力でかなりのことが実現できるからです。

そういう子どもたちは、「夏休みものんびりできないかわいそうな子」でしょうか? 私はそうは思いません。普段はできない大きな目標を、しっかりした計画と毎日の実践で達成する、そんな機会はそうそうありません。また、そうやって時間を惜しんでいる子も、入道雲や夕立には感動します。夏の恩恵は平等に与えられているのです。

私たちは塾ですので、ご提案するのは勉強のことです。「夏はここまで達成する!」という計画をぜひ持ってください。それは「苦手な科目を総復習する」でもいいし、「次の英検に必ず合格する」でもいいと思います。8月が終わるところで、「これだけできるようになった。これだけ成し遂げた。ぼくはこれだけできるんだ。私はこんなに頑張れるんだ」という実感を持ってください。そこから初めて「次はここまでやるぞ!」という意欲が、夢が造られます。

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