次男を連れて平家物語を聞きに行った。


 平家物語を聞くのははじめて。てっきり、琵琶法師による琵琶と語りを聞けるものと思っていた。


 しかし、この日の平家物語は、尺八、鼓・太鼓、琵琶の伴奏による演劇に似たものだった。


 これまで平家物語を読んだことがない。よくわからなかったというのが実のところであった。


 でも、おもしろかったのは、石笛(いわぶえ)。


 それぞれの演目の前に岩笛の演奏が入る。これが、「ピー」という何ともいえない音色で奏される。


 休憩時間にこの岩笛が陳列された。


 見れば天然のただの石。「穴の開いている石を海岸で拾って塩抜きをしたもの。もともとは神霊を呼び迎えるための神事として演奏されたもの。」とのこと。


 陳列された石笛を見ているときに、解説の女性が、「笛は自然から授かったもので誰のものでもない」と話していた。


 「誰のものでもない」……この言葉に心が動かされた。


 ホリエモン騒動ではないが拝金主義がはびこる時代。財産とか世俗の名誉を追い求めるのに、何のためらいを感じないのが一般的になっている。私自身も恥ずかしながらその1人。


 「自分のもの」なんて実は存在しない。すべては「授かりもの」。


 大切な心を教えてもらったような気がした。

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