千代田区立九段中等教育学校を訪問した。賀澤校長のお話を伺った後、英語・数学などの授業と総合学習の授業を見学させていただいた。


 千葉県でも、H19春に市立稲毛、H20春に県立千葉に公立中高一貫が誕生するが、一足早く、東京都では公立中高一貫が実際に動きだしている。九段中等教育学校はその1校だが、千代田区立であること(多くの公立中高一貫は都立もしくは県立)、現在の中2・中3生が入試選抜を経ないで入学している点が、他とは大きく異なっている。


 賀澤校長の話はとても迫力があってわかりやすかった。教育理念や学校経営計画などについて具体的な説明があったが、この中で、私は、「新しい学力階層を作る」という部分が印象に残った。


 「新しい学力階層」とは、学力偏差値が高いだけではなく、「さまざまな体験を通じて、興味関心のある子どもを育てる」という意味のようだ。そのために年間1千万円以上の予算を投じて総合学習を推進するそうである。


 校長の話を聞いて改めて感じたのは、千代田区というのはものすごくお金があるということ、その上、大学や企業がいっぱいあって、これらの協力も得やすい特別に恵まれた地域であるということだ。


 授業を見学して感じたのは、中1と中2・中3とでは授業の雰囲気がかなり違うということだ。


 中1はかなり高い入試ハードルをくぐり抜けた子どもであり、中2と中3は誰でも入れる「普通の公立中」。当たり前といえば当たり前かもしれない。確かに、千代田区の学校は、生徒の多くが越境であり学力レベルもずば抜けて高いといわれる。でも、入試がないということは、こんなにも違うのかということを目の当たりにしたような気がした。


 もう1つ感じたのは、「この学校は私立とどう違うの?」という素朴な疑問。


 確かな学力向上、豊かな人間性の育成、キャリア教育の充実など同校の教育目標はすばらしいと思う。是非、かけ声倒れで終わらせないで実践を積み重ねて欲しい。


 でも、これって、多くの私立学校が実践しているところと共通する部分が多い。すでに私立がたくさんあるのに、なんで、敢えて公立が同じようなことをしなければならないの………?


 ひょっとすると、これは、新たな「官業による民営圧迫」ではないの………??
 
 これまで、多くの私立の関係者から、これにまつわる話をたくさん聞いてきた。今回、現場を目の当たりにして、改めてこの素朴な疑問が頭をよぎった。


 いやぁ、難しい問題だ!



 

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“千代田区立の中高一貫校” に3件のコメントがあります

  1.  これは自論なのですが、
     教育システムの強化や制度の変更で生徒が育つスピードや育った結果を求めることは難しいと思います。
     最新鋭の設備やプランではなくて、長年の年季の入った先生方がいれば十分だと自分では思っています。
     会社も似ているような気がします。最新鋭のコンピュータを導入して、アメリカ式の組織形態で、ネット商材を展開させても、企業の基礎力(よい経営者や従業員)がなければあまり良い結果は出せないものです。 企業の基礎力が十分あれば、どの業態でも結果は出しやすいです。(経営者のやる気、従業員のモラルの高さ、勤労さなど)

  2. 『修身教授録』は読んだことがありません。さきほど、アマゾンで注文しました。届き次第、すぐに読みます。(青沼塾長)
    →行動力がありますね。これはかなり青沼先生の嗜好に合っていると思います。僕も最近になって、このような指導要領がいいと思い始めてきました。学生の時は、アメリカ式の合理的な教育プランがいいと思っていて、留学とかをチョット考えた時もありました。
    森信三の読みやすい名著は
    「森信三 魂の言葉」があります。これのほうがハンディ版みたいです。

  3. コメントありがとうございます。
    『修身教授録』は面白かったです。以前、ある老塾長に『論語』を通じてさまざまな指導を受けたことがあります。この先生と重なる部分がたくさんあり、改めて教育の原点を考える機会を与えてくれました。
     遅くなりましたが、御礼申し上げます。
     

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